新年のご挨拶

2016年01月14日更新

いつもお世話になっている皆様へ

 

 2016年が明けて早くも1週間が経ちました。

 遅ればせながら皆様、新年あけましておめでとうございます。

 多くの方のお力添えをいただき、昨年を越えてくることができました。

 

 2014年11月に株式会社波の女にとって存続の危機となる事故を起こしてしまいました。

私も含め、そのことを職員一人一人が受け止めることに多くの時間がかかりました。

未だに受け止めきれていない者もおりますし、これからもそのことは職員がずっと考え続けていかねばならないことです。

 

その後、二度と同じような事故を起こさず、かつ入居者・利用者さんたちの人としての当たり前の暮らしを応援できるかを両立することの本当の難しさや怖さに直面し、また、自分たちの中にある「楽」な方への迎合や言い訳、葛藤にもみくちゃにされ、職員の中にある考え方のズレが職員間のチームワークの乱れにつながったり、支援内容の低下とみられることにつながったりと、2015年は多くの課題に職員が揺さぶられた一年だったように思います。

 

限られた資源(職員、時間、環境等)をどのように分配するか、入居者・利用者さんに対して「できること、すべきこと、できないこと」を瞬間的に判断できなければグループホームも小規模多機能も仕事は成り立たない、判断の繰り返しがなければ画一的な流れ作業になってしまうことを、実際の仕事の中に落とし込んでいくことも大きな課題です。

 

私たちは介護保険事業者として、介護保険法の目的を実現することを会社の指針として仕事をしてまいりました。

介護保険法の目的に謳う「尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう」を実践的に入居者・利用者さんに対して支援していきたい、それを「自分のことは自分で、互いに助け合って、社会とつながって」というキーワードに直し、認知症があっても障害を持っても、要介護状態の方が最期まで町の住民、市民として生きていくことを応援したいと、不十分ながらも精一杯仕事をしてまいりました。

 

「言うは易し行うは難し」という言葉そのもので、事故は、平穏に過ぎていた時にはわからなかった私たちの未熟な部分をはっきり露呈させ、その未熟な部分こそが絶対に克服しなければならない支援の重要な部分であったことを教えてくれました。

 

昨年後半は職員間での対話や研修を通して、考えの共有やズレの修正に取り組んでまいりました。

そして、事故そのものについては多くの方のお力により、昨年末に関係者がひとまず納得できるところに着地することができました。

同じような失敗を犯さず、でも入居者・利用者さんが人として生きることをもっと追究したい、それが私たちの新たな出発点です。

代表者として未熟者であり、砕け落ちそうになったこともありましたが、ここまで温かく見守ってくださった皆様の存在が大きな支えとなりました。心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

大きく揺さぶられる中でも職員がその軸だけは何とか保てていることは、会社としての誇りでもあり、またここからしっかりと仕事をさせていただきたいと思います。

 

さて改めてご案内させていただきますが、今年半

ばに当施設利用者・入居者の皆様の生活圏となっている御剣地域に、新たに施設を開設させていただきたく準備しておりましたが、その目途がたってきましたのでご一報させていただきます。

 

御剣地域の住民の皆様には、当社・当施設のみならず、利用者・入居者の皆さんが大変お世話になりお力添えをいただいていますが、この地域は、名古屋市で高齢化率上位の地域でありながら、市民の皆さんにとって介護保険の入り口となる居宅介護支援事業所(ケアマネさんが仕事をするところ)がありません。

 

そこで、いつも利用者・入居者の方々と買物に行かせていただいている栄市場のすぐ近く(雁道二丁目)に、その事業と通所介護(デイサービス)を併設した事業所を開設して、住民の皆さんが困ったときの相談(居宅介護支援事業)から自宅生活を応援する(デイサービスと小規模多機能型居宅介護)仕組みまでを整え、そしていよいよ自宅での生活が困難になったときにはグループホームへとつなげ、この地域で暮らし続けられる体制にしたいと常々考えておりました。

 

同時に、介護業界は慢性的人手不足ではありますが、子育てで離職せざるを得ない人たちもたくさんいて社会的損失を招いています。

この社会の一員として、法人の責務の一つとして、上記のような理由での介護職離職者を招き、そして滝子通一丁目福祉施設の職員が介護支援専門員(ケアマネ)になっても当社で働き続けられるようになり又、結婚して子育て期を迎えても夜勤のない職場を確保することで働き続けられる可能性を高めたいと思います。

 

合わせて、小さい(約100㎡の平屋)ながら新しい施設ができることで、いつも運営推進会議等でお世話になっている地域包括支援センター(いきいきプラザ)の皆さんや市民グループの皆さんと協力し合いながら、市民向けの様々な講座や催し、世代間交流(幼稚園が隣接)、介護事業者従事者の集まりなど、当社がこれまでできなかったことを推進する場ともなります。

 

またお力添えをいただければ幸いです。

今年も昨年同様温かく見守っていただきますよう、よろしくお願いいたします。

 

2016年1月8日

株式会社波の女

代表取締役 加藤千恵