嬉しくない話
今年1~2月、虐待の有無について全国の3万5278施設に調査したところ、8988施設から回答がありました。
実態として1510施設で2012年以降の3年間に高齢者への虐待があったり、虐待の疑いがあったりしたとのこと。
調査に回答した施設の2割弱にあたります。
人手不足の施設ほど虐待が多い傾向もみられました。
(NPO法人・全国抑制廃止研究会)
(4月11日 朝日新聞デジタルより一部抜粋)
名古屋では今月、口の中に手を入れ鼻をふさぐ、下半身を撮影する等で職員逮捕のニュースが出ていました。
【虐待】保護下にある者(ヒト、動物等)に対し、長期間にわたって暴力をふるったり、日常的にいやがらせや無視をするなどの行為を行うことを言う。
力加減でいけば、強い者が弱い者に。
状況的には、第三者からみて「むごい」「かわいそう」に思えるようなこと。
(私達の目の前にいる人たち)
私達は「虐待を受けたい」とは誰もが思わないでしょう。
目の前の方々も同じと考えるのが普通です。
不本意ながら自分の意思や能力で自分を護ることが難しくなってしまったのです。
ですから、「困った」「助けて」と施設を使い始めます。
ですから、「職業人」「専門職」として関わっていきます。
「人が生きる姿」「人として生きる姿」を目指して。
契約や重要事項説明に基づきお金を払って頂きます。
契約や重要事項説明に反し、むごいことをします。
これでは、本末転倒であり犯罪です。
一部の出来事とはいえ、このような事が続く限り、社会の「介護事業」「介護職」に対する評価は上がりにくいでしょう。
評価が下がると言えば、虐待ばかりではありません。
利用を拒否したり、利用途中で中止させたり、横柄な態度で自分都合を押し付ける等々も同じですよね。
「一」は「全」
「全」は「一」
私達1人ひとりの言動は介護業態全体に繋がっています。
目の前の方や国民からお金を頂き、私達は生きています。生かされています。
お金を頂き、むごいことを返すことがどうなのか・・・
私達「介護」の使命は何なのか・・・
今一度、「自問自答」「施設で考える」機会としていきたいものです。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
とは言っても・・
介護はなかなか厳しい場面はあります。
疲れ果てて「つい」という事も分からなくはないです。
しかし100歩引いて家族なら・・という事はあっても、仕事として関わっていく私達はどうなのか・・
自分との闘いですね。
「志」を抱くこと。
「チーム風土」を整えること。
職員を大切にできる組織でありたいと思います。
「心に花を」