「主体性」を導きだすアプローチ (終)

Published by i

長く続けてきた「主体性」に関する記事も、一旦終わりにしようかと思います。

 

アプローチを始める最初の頃は、

「なんでしんどいのにやらなきゃいけないの?」

「なんで私が?」

「あの人はやらないのに」

「職員さんやってください」

となっても当然の事です。

 

それに応えるには、「職員が一緒にする(フリも含め)」事も大切にして頂きたいと思います。

言うだけ言って何もしていない人に信頼はおけませんから。

特に「力のある」と見えている職員が言うばかりでやらないのは、不信感にも繋がるかもしれません。

 

一緒に活動する中で大切な事は、常に「励まし」「労い」の言葉を投げかけて頂きたいと思います。

それが「できる」「できた」という成功体験をより強固にし、「やってもいいんだ」という前に進む力と変わるのだと思います。

 

その流れの先に、失いかけている「主体性」が引き出されていくのだと思います。

1日、2日で簡単にできるものではありません。

2,3ヶ月かけながらじっくり進めていく必要があります。

今までの流れを変える場合、もっと時間がかかるかもしれません。

(新規立ち上げの場合は、最初からその流れが「当たり前」「普通」という事で進めれるといいですね)

 

生活に障害をきたし、受動的に生かされてきた認知症という状態にある方々が、「主体性」を取り戻し、「自分の力を使って自分で生きていく(職員の支援を受けて)」ためには、組織としての方向性を明確にし、皆でそこを目指し、さまざまな配慮や仕掛けでアプローチし、応援していくという継続的な流れが大切なのだと思います。

 

「人として生きる姿」を取り戻すために尽力する専門職・施設が増えていく事を切に望んでいます。

「生かされる」から「自分の力を使って生きる」への転換を目指していきましょう。

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 IMG_2816

主体的に職員事務所の整頓をされる姿を見かけました。

よほどちらかっているように見えるのでしょう・・

いや 事実なのでしょう。笑

 

2015年11月20日 Category:スタッフ日誌