「介護離職ゼロ」のその後
9月25日、27日の波の女ブログ、10月23日の和田行男のけあサポブログで取り上げられている、「介護離職ゼロ」の件です。
地域包括ケアを推進しながらも、「施設に入れて仕事を続けよう!」という箱もの政策の増強路線を総理が言い続けているのは皆さんご存知のことだと思います。
特養整備だけでは追いつかないということで、急にサービス付高齢者住宅の補助金の額をかなり増額(年度末まで)したりしながら、あの手この手で入居者受入数を増やす路線もとられているようです。
でも、現実は結構厳しいものです。
実際は、全国で2012~14年度に整備された介護施設の定員数が計画の7割どまりだったことが、読売新聞の調査で分かったばかりです。建設費高騰や介護の人手不足が主な原因だとか。
ごもっともな話です。
それでも補助金がらみで、経営感覚がある一般企業の、サービス高齢者住宅の参入はすばらく増えるかも知れませんね。
その結果懸念されるのは、
「介護の質」はどうなるのか?
「人材確保」「人材育成」はどうなるのか?
もちろん「介護職の処遇改善」の更なる改善も気になるところですが。
ところが、巷にでるニュースはこんなのばかり・・
4の字固めって・・
厚生労働省は12日、介護人材の確保に向け、介護事業所の業務負担の軽減策を話し合う有識者検討委員会の初会合を開いたそうです。
事業所が作成する業務文書の量を半分に減らすことや、介護ロボットを活用するなど介護に集中できるようにする考えで、「1億総活躍社会」のプランに反映させるとのこと。
これまた、何を言っているのだろうか?・・
とまぁ、現実からかけ離れた、実現不可なことばかり言い出す国の施策に?を感じつつも、逆にある一定の意義を感じるようになってきました。
絵空ごとばかりを掲げ、言い放てば言い放つほど、「世論」や「関係者」が「?」「そんなばかな!」と感じ考え意見を噴出される事が増えたように感じるのです。
「今」は国民全体に現実を知ってもらうのにいいタイミングなのだと思います。
そして近所、地域にある施設やサービス事業所の介護の雰囲気、職員の表情や動き、利用者や入居者の姿などに今まで以上に興味関心をもってもらえたら素敵ですね。
そうすれば「数が増えればいい」ということだけでは終わらなくなるのだと思います。
まだまだこれからが正念場ですね。
現場感覚を大切にしながら、情報発信し合えたらと思います。
皆でこの局面を切り開いていきましょう!!
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治