「そりゃそうだ」

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本日こんな記事に目がとまりました。

 

<熊本地震>子供の変調、相談66件 「夜怖い」「乱暴に」

 熊本地震による子供たちの変調を訴える保護者からの相談が、熊本県内の3児童相談所で計66件に上っていることが、各児相への取材で分かった。

「友人に対して乱暴になった」「夜が怖い」などの相談が寄せられているという。

県内では11日から全ての公立学校で休校措置が解除されるが、子供たちの心のケアが課題になりそうだ。  各地の児相によると、「電気をつけたままでないと眠れない」「夜中に泣き出してしまう」など、余震の恐怖による心身の変調を訴える声が多かった。

また、「友人にいじわるをするようになった」「きょうだいにきついことを言うようになった」といった相談もあり、長期化する避難生活によるストレスも一因ではとみられる。

市教委総合支援課は「子供の心のサインを見逃すと、行動や学習に影響する可能性もある。いち早く大人が気づいてケアをすることが重要だ」と話している。

 

とのことです。

この記事を読んでみて、みなさんはどのように感じたでしょうか?

「大変なのは分かるけど、いじわるをするのはダメなこと」と思いますか?

そんなことはないですよね。

 

大変な状況の基、ストレスや負荷がかかると、通常とは異なる言動が起こることを私達は知っています。

「心」「脳」は追い詰められると、変化するということです。

 

これに対して、「そのような状況下では不安定にあることは自然であり、湧き上がる感情を認め、受け止める時間が必要」と東北の震災の時にも言われていました。

 

この記事をみて普通は「そりゃそうだよね」となるはずです。

ところがこれが 認知症という状態にある方の言動となると、「問題行動が出現した」となることがあります。

認知症という状態にある方々も、突然自分の身に降りかかってきた「脳の病気」という災害に、ストレスや負荷がかかり、通常の状態でいられなくなっているのです。

 

その方々の言動に対し、「暴力・暴言」「大声」「介護抵抗」「徘徊」など、支援者の視点で問題扱いすることがどうなのかを考えねばなりません。

 

「人」として「そりゃそうだ」と普通の感覚を失わないようにしたいものです。

この感覚が、「人を支える」ことの入り口なのだと思うのです。

災害の前では人は無力です。

でも「支えてくれる人」がいるという事は、きっと心強いのだと思います。

支える側の「そりゃそうだ」を大切にしていきたいものですね。

 

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

2016年05月12日 Category:スタッフ日誌