「介護の専門性」考⑤
④の続き
「介護」の方向性について①~④で述べさせて頂きました。
次に「認知症介護」について考えてみたいと思います。
この単語も業界でよく使う言葉でありますが、そもそも「認知症介護」とは何なのか?
もちろん、「認知症の方」を「介護」するということです。
これもその目指すべき方向性がまだまだ定まっていないというのが現状ではないでしょうか。
表現が悪いのですが、世間的には「とんちんかんな事を言う・する認知症の人を施設に閉じ込め、世話をする」といったイメージがあると思います。
職員側の視点でいけば「いろんなことが分からなく・できなくなった認知症の方を、安全と職員数の都合で施設内に留まって頂き、お世話をさせて頂く」といった現状があるのだと思います。
そもそも認知症とは、「いったん正常に発達した知能が、病気により器質的変化をきたし、慢性的かつ持続的に衰退し、日常生活に支障が生じる状態」といった定義があると思います(多少の表現の違いはあります)。
この中のキーワードは、「病気により脳が壊れる」「生活に支障をきたす」ということです。
前者の病気の部分に治療を施すのは医療の仕事であり、後者の生活の障害に手助けするのが介護の仕事であると思います。
そしてその目指すべき姿は①~④で述べた通りです。
認知症の方に職員がくっつき、補うことで「人が生きる姿」「市民として暮らす姿」を取り戻す・創造するということだと思います。
「ふつう」の感覚を大切にしながら・・・
⑥へ続く
1日に開催された江南市での徘徊訓練に参加させて頂きました。
捜索訓練は探す側に主体があります。
「探す」「発見」「通報」「保護」「引渡し」・・・
探される側「本人」の立場になり、探し手に連絡が行きながらも、本人が行きたい所、帰りたい所へたどり着ける支援の輪が広がるといいのですが・・・
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治