個人の部屋(個室)2
(前回の続き)
入居者の発言の、「干さなくていい」に対応する方法は色々あると思います。
今回は一例を紹介させて頂きます。
勝手に「干させて頂きました」というのはあまりにも職員都合にによるもので一方的です。
ですので、この時のスタッフへお願いしました。
「外出時にナイショで干させて頂きますが、大切なのは(現状回復)です」と。
記憶の障害により、不在時に何か部屋の中をいじっても、元の部屋の中の状況なんて忘れてしまっているのかもしれません。
しかしそれは勝手な思い込みであり、以外と違和感を感じられたり、気づかれている事もあるものです。
意外と被害妄想的な入居者の言動は、職員側の下手なアプローチがきっかけになっていることもあります。
そして、「忘れてるからいい」「分からないから大丈夫」ではあまりにも素人的な対応と言えるでしょう。
私たちの仕事は、ご本人に分からないように、ご本人にとって必要なことをさりげなくさせて頂くことが大切ということです。
ということで、今回のケースは「現状回復」です。
と言いましても、部屋をいじる職員が「現状」を覚えていなければ意味がありません。
その部屋の状況を覚えられる方はそれでいいですが、僕みたいに記憶保持力が乏しい方には・・
「デジカメ」が役に立ちます。
最初の部屋の状態を「パシャリ」
元に戻す時に「写真の通り」にする。
それだけのことです。
写真だと、自分以外の職員にお願いすることもできますしね。
あと大切なのは、外出から戻ってみえるまでに戻すことです。
外出者の同行職員が帰路につく時に、フロアに連絡を入れ対応できるといいですね。
職員側の勝手な思惑で事を進めるのは専門職として寂しいことです。
相手に配慮した支援が、私たちの仕事では大切なのではないでしょうか。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
今夜も「パジャマず オンパレード」で部屋に向かう元気な皆さんです。
そのために必要なのは