引き締め

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そういえば・・

 

今月(4月より)より、自治体が事前通告なく介護事業者を実地指導できるようになっているそうです。

少し前に話題になった、入居者の転落死事件を受けた措置だということです。

利用者、家族、関係者等からの通報や苦情があった場合は、抜き打ちで実施できましたが、

日常的な虐待防止への対応を調べる実地指導は、事前に文書で知らせる事が望ましいとなっていました。

 

事前に通知が来てからの実地指導だと、証拠隠滅してしまう可能性があるとのことで、今回のガイドライン改正になったそうです。

 

「悪い事」「やってはいけない事」を含め、「虐待」などは、

良くない事と、全ての事業所が分かっているのだと思います。

ただ、わかっちゃいるけど・・

発生する、止められない、中には気づかないといった事態が繰り返し発生している訳です。

 

管理体制や、勉強の機会、伝達の機会を設け、虐待防止の手立てを打つのは事業所の使命です。

しかし、現場最前線で働く一人ひとりの職員がその瞬間、瞬間で対応している訳ですので、

最終的には、現場の職員が「思わず」「ふと」「いらっとして」「いっぱいいっぱいで」等々

「魔がさした」という事や、もしくは「誰もみていないから」といったことで起こることが多いのだと思います。

これを防ぐのは結構難しいのかもしれません。

 

もともと、そういった空気感があるところや、先輩達がやっているから「いけないこと」という感覚が麻痺してしまっているところもあるかもしれません。

 

何が「いけないこと」なのか・・

価値観、常識、倫理観、モラル等々、線引きになる基準は色々ありますが、

力のある者が、抵抗できない者に対し、「そりゃむごいでしょ」という事をするのは、

「虐待」ですよね。

 

親は子に虐待をする事はありますが、

子は親に虐待をする事はできませんよね。

単純に、「力加減」や「立場」が上なのが親ですから。

 

「力加減」でいけば、要介護状態になり、介護施設を利用している方は、一般的に職員より力はありません。

ですので、職員が利用者に不利益な事や、「そりゃむごいでしょ」といった事をする事はすべて「虐待」ですよね。

 

そしてそれは、なかなか外から見ることはできません。

施設全体が密室化しているようなものですから。

 

ちなみに滝子の施設は、外(一般公道)からリビングが丸見えの「見せる介護」現場ですので、

その点は少しいいかと思っています。

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それでも夜は職員1人で、さすがにカーテンも閉めていますので、やはり密室化状態な訳です。

誰かが見ているからちゃんとやる。

見ていないなら手抜き・良くない事をする。

ではダメな訳ですよね。

 

見られていても

見られていなくても

同じ姿勢で仕事をする

 

これができていないし、できるように職員を育てる風土が組織に足りないから、

介護の世界はまだまだ「だらしない」業界なのだと思います。

 

滝子だって、過去には声のかけかたが

「そりゃむごいのでは?」

「そんな言い方は申し訳ないのでは?」

といった、虐待まがいな事がありました。

 

そのたび個人面談を行い、早めに修正し、だらしない芽をつむ作業をしてきたように思います。

事業所だけの努力だけで防げないのであれば、家族の目、近所の目、関係者の目がいつでも施設の中に入る環境を構築する必要があるのかもしれません。

 

地域密着サービスの、2ヶ月に1回の運営推進会議だけでは足りませんよね。

行政から抜き打ち指導が入る以前に、地域の目を入れ、開かれた施設を目指し、職員の意識を変える職場風土の構築を心がけたいものですね。

 

業界の中で、意見交換や情報交換を活発化し、だらしない介護業界を脱皮したいですね。

 

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

 

 

 

2016年04月14日 Category:スタッフ日誌