つかず離れず
毎日、自宅へ戻る前にスーパーで夕食を買う方がみえます。
短期記憶障害は結構強く、1分前の事も「覚えていない」「思い出せない」事が多々ある方です。
しかし、毎日の事ですので、記憶はなくても行動パターンは完全にできています。
基本、バナナ→ヨーグルト→弁当→パン→レジ
のルートが固定しています。
固定はしていますが、記憶が残っていないので、
入り口で「今日は弁当だけです」「ヨーグルトやバナナは冷蔵庫に入っています」と伝えても、
その都度フォローしないと
バナナを手にとり・・
ヨーグルトを入れ・・
という事になってしまいます。
こんな毎日ですと、冷蔵庫の中が同じものだらけになってしまいます。
ですので、職員はその都度横に付き、声をかけます。
「バナナ冷蔵庫の中に残っていますよ」「ヨーグルト、4個残っていますよ」
といったやり取りを毎日しております。
昨日もそのパターンにしようかと思いましたが、
「有する能力に応じる」
という僕らの使命が頭をよぎり、弁当購入のところから、離れました。
歩行能力はカートを押しているのでOK
弁当セレクト能力は・・あるはず
支払い能力・・レジの方が協力してくれるのでOK
職員が横にいなくてもOKか・・ これはやったうえでの見極めですね。
という事で、バナナと、ヨーグルトを通過すれば、自分がぴったりくっついていなくてもいいと思い、棚の物陰から見守りました。
案の定、能力はあっても、どちらかといえば依存的な日々ですので、職員を探しキョロキョロを2,3分。
職員に意見を聞きたいところでしょうが、ここはぐっと我慢。
最終的にはご自身で食べたい弁当をセレクトし、レジへ。
無事、買い物を完了されていました。
「有する能力に応じる」
買い物は「職員付き」が毎日のパターン化の中に組み込まれ、
その先に依存的になっているという現状があるとすれば、
ここは、買い物、セレクト、支払い等の「能力」に「応じる」手だてを今一度考えなおさねばと思いました。
次の一手は、
入り口で購入リスト(メモ)をご本人に渡して、それに基づき一人で必要なものだけを購入できるか?
といったアプローチですね。
皆で工夫していきたいと思います~
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
難点としては・・
周りのお客さんから怪しまれている事ですね・・(汗)
「介助中」「支援」の札が必要かな(笑)