相手の視点で(後)
(前回の続き)
行方不明となって約40時間後の12日午前1時半頃・・
となりの部屋でがさごぞ音が、鈴の音や、鳴き声も・・
「キターーーー!!!!!」
ここからが勝負です☆
万が一、部屋に入ってきた時にどう行動するかは、予測してあります。
そのまま自分が扉を開けると、びっくりして一目散に入ってきた扉から外へ・・
こんな展開が予測できるので、「外から閉める」方法を考えてました。
ベランダを乗り越え、外から玄関へ廻り、外から閉める事に成功☆☆☆
捕まえる時には、「シャャャーーーー!!!!」と怖いくらいの勢いで威嚇されました。
向こうもびっくりしたのでしょう。
既に野生化してしまったのか?
と思える程の勢いでしたが、捕まえて少しすると、以前の落ち着きを取戻し、
「よかったよかった~。一件落着~♪」
なんとなく、戻るというか、入ってくる予感はあったのですが、
頭に描いていた通りの展開にハマルと、大変でしたが達成感があるものです。
これは介護・支援がうまくいった時の「ソレ」と同じ感覚です。
40時間の旅はどうだったのでしょうか?
大変なりにも「活き活きとした」時間だったのでしょうか?
それはさすがに分かりませんが、家で過ごした実感・体感があったから、
家でのびのびと走り回った実感・体感があったからこそ、
楽しい・心地いい感覚があったからこそ、
戻ってきたのではないでしょうか。
生きていた・生きていくを、体が覚えているのでしょうね。
それは人も同じ
そこで暮らすという事は、そこの住民になっていくという事。
職員によって生かされるではなく、
自分の力を発揮して生きるというのが「暮らし」「生活」というもの。
その日々の暮らしが、そこにいる意味になり、実感は体感を通じて脳と体にしみこみ、
連れてこられた施設が、その方にとっての新たな住まいになっていくのだと思います。
体・感覚はしっかり、滝子の住民になっていくものだと思います。
自分のペースで進めるのではなく、相手の視点・立場にたって考え、
相手の気持ち・力を発揮できる環境を用意していきたいものです。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
でもねこう思ったりもします。
「おい! オマエこの暮らしで本当にいいのか?(笑)」と・・