これって虐待? (後)
食器を必ず全員が洗う。
と言うのも良く考えれば、おかしな話です。
ここは、学校ではなく、デイサービスです。
こっそり、迎えの方の席に食器を置いて、洗ってもらう。
これは、長年、生きてみえた生きる知恵ですよね。
これによって、今まで仲良くなかった方との関係性が出来るのかもしれないです。
良い事があったから、皆の洗ってあげたい!
と言うハッピーな気持ちもわかりますし、
男性の方は調理を、女性が頑張ってくれたから、片付けは任せて。
その、「してあげたい」という相手を思う気持ちを
受け止めてもいいんじゃないかと思います(体調をみながら)。
介護職なので、利用者さんに、「もう一つ体を動かして欲しい。」とか、
「自分の事は自分で。」
とそこばかり突き詰めてしまい、体を動かしたり、頭を使ったりする事が良いこと。
と勝手に思い込んでしまう。
その方がご自宅で生活するために
何をお手伝いしたらいいかを見失っている事から、
1人1人のご利用者さんに寄り添うことなく、ただただ、
いつもの仕事で、利用者さんに活動してもらう事ばかり考えていては、
関係を作る事ができず、命令になってしまいます。
どんなに優しい声をかけても関係が出来ていなくては
一方通行になってしまいます。
「洗いたくない」気持ちを汲み取り、でも、自分で食べた分だしね。
洗い場に下膳するだけでもどうかしら。
ちょっと、今日は、疲れてるんですよね。
半分お手伝いしますよと言う気持ちを込めて、
「洗いませんか」と話しかけていきたいです。
職員も、一人の人であり、感情があり、悲しい日もあれば、疲れている日もあり。
いつでも、どんな時でも、冷静にご利用者さんと向き合えるように、小さな悩みがあっても
こうして職員同士で悩みが話せる事が解決していく一番のコツだと思います。
「これって虐待?」と他の職員さんに話すことは、とても勇気がいることです。
それを、口に出す事ができた勇気ある職員さんと一緒に働き、
私も一緒に考えることができたことに感謝しています。
クラブ雁道 デイサービス
日置 紀子
こちらのご利用者さん
「男が台所に立つものではない!」
と言われてみえた方。
女性の利用者さん、聞こえていたのかいないのか
「はいはーい。着て着て。」と何事もなくに割ぽう着を手渡され。
周りのご利用者さんの波に乗り、割ぽう着に袖を通すと職員が入る間もなく、
すかさず背中のリボンを結んで下さる。
男性も怒る事もなく、着せてくれたことに
「ありがとう。」とお礼を言われました。
この時、服が汚れるから来ませんか。
と言う相手を思いやる気持ちが見えるような優しい「着て着て。」だったのです。
割ぽう着効果からか、この日は盛り付けもして下さいました。
インフルエンザ対策。
空気の入れ替えと清潔もお忘れなく。
サッシの隅まできれいにね。