葛藤-理想と現実

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寒さが一段と厳しくなる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

寒がりな私は厚着をして、ますます着ぶくれしています。

こんにちは、1F職員の河村です。

早いもので、1F職員として働いてもう半年がたちました。

 

今回は、私と野村さんの事について話したいと思います。

こんなことをブログで書くなんて、介護職員失格だと思う方もいらっしゃると思いますが聞いていただけると嬉しいです。

 

1Fで仕事をするうえで、常に頭に入れておかなければならないことの一つとして、野村さんとどう上手く関わっていくかが上げられます。

この件については、かつて何度も職員同士で議論を交わしてきましたが、手探り状態で、いまだ有効な手段を探しているのが現状です。

 

先日、野村さんと過ごしていて1時間半以上ぶっ続けで外を散歩したことがありました。その時私は捻挫をしてしまい、足を引きずりながら施設に帰りました。野村さんも最初は元気に機嫌よく散歩していましたが、疲れてくるにつれ機嫌が悪くなり、少し曇った表情をしていました。施設につくなり「オシッコしたい。」と野村さんが訴えたため、すぐにトイレに案内し排尿。私もリビングのイスに座って、少し休んでいました。(1時間以上歩いている間も、何度かベンチに座るなどして、小休憩していましたが、すぐに立ち上がって歩き始めてしまう・・・と言う状態でした。)

ところが、トイレから出てくるなり野村さんはすぐに「早く行くよ!!」私の手を引っ張り、強引に外に連れて行こうとしました。私は、「もう少し座ろうよ、野村さんも疲れたでしょ、座ろう?」とイスに座るように声掛けしましたが、応じず事態はさらにエスカレート。私の腕で綱引きをしているような状態になり、怒った野村さんは私をバシバシ叩いてなおも強引に連れて行こうとしました。

この時、私は「また外に出て行くのかぁ・・・さっきもだいぶ歩いたのに・・・。」という思いと、「こんなにバシバシ叩かなくても・・・。」という思いでいっぱいになってしまい、ついに・・・。「そんなに歩きたいなら、一人で歩いてといでよ!今日はもう歩きません!」と強い口調で言ってしまったのです。今から考えると、何てバカなことを言ったんだろうとすごく後悔しています。その後の対応は他の職員と交代して頂いてなんとか一日を終えることが出来ました。

 

今回のこの一件を改めて振り返ってみると、自分の心の弱さが浮き彫りになって、嫌な気分になりました。それと同時に、野村さんの「あなたと一緒に外へ行きたい」という思いを踏みにじってしまったことに、罪悪感がありました。

少しでも『楽をしたい自分』と、介護職員として『野村さんと向き合う自分』の気持ちの板挟みになって・・・。

こんなことを思ってしまう自分は、まだまだ未熟ですね。専門職としてとても恥ずかしいです。このブログを読んでいただいた方の中には、「波の女の職員にはこんなことを思うやつが働いているんだ・・・給料泥棒!さっさとやめてしまえ!!」

と、罵る方もいるかと思います。ちょっと辛いですが・・・それが現実なんですよね。

 

でも、私は知っています。野村さんが本当はとっても優しい方なのだということを。

入居者さん同士でケンカが始まったとき、笑顔で止めに入る野村さん。

一方的に強く言われ続けていた入居者さんには、積極的に話しかけ励ましている野村さん。

隣に座る職員や入居者さんに優先的にお茶を注いでくれる野村さん。

添い寝の際には、「寒いでしょ?」と布団をかけてくれる野村さん。

数えたらきりがありません。こういった姿が本来の野村さんの姿なのだと思います。

 

認知症になって苦しみながらも、こういった姿を見せる野村さんを見ていると、自分自身も負けていられないなと思います。

まだまだ弱くて、情けない自分だけれど他の職員とも協力しあいながら、『自分たちと同じような日常』をおくる手助けが出来たらいいなぁと強く思いました。

長文失礼しました。

 




 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 




 

 

2012年11月27日 Category:スタッフ日誌