独居の方への支援
月に1回程度、ケアマネさんが提出するケースを皆で検討する会があり、参加させて頂いているのですが、「独居高齢者(認知症)の支援の注意点は?」と質問が上がったので、クラブ滝子(小規模多機能型居宅介護)での取り組みを紹介させて頂きました。
それぞれの個人の特性や環境により様々な視点は必要ですが、一般的に注意するポイントは以下のようなことです。
・火の管理(ガスを使わない、IHへの変更、マッチやライターの管理)
・お金の管理
・薬の管理
・食材管理、食事の調達
・体調の管理(脱水、発熱、便秘)
・排泄状況把握(トイレや室内の汚れ、トイレットペーパー在庫)
・衣類、寝具の管理(汚れ、洗濯)
・室内環境(室温、湿度、電気、ガス、水道、ゴミ、冷蔵庫の中、汚れやちらかり、ポストのチェック)
・社会環境(近隣の方への挨拶や声かけ、行き慣れたお店の活用)
等あります。
独居で認知症の状態にありますと、部屋の中に色々な形でその影響が出やすくなりますので、訪問時にご本人さんの状態把握に加え、室内環境の把握に務めるようにしています。
この夏場は熱中症対策として、エアコンを活用しての室温管理、冷蔵庫を使用しての食材管理、水分を摂取できるかといったことをチェックしたりしています。
あと、認知症になっても自宅で一人で暮らしていくためには、近隣住民の協力や理解は欠かせないものです。ここが上手くいかないと、住み慣れた自宅生活の継続は難しくなっていきます。
ですので、近隣住民が心配される火の管理を中心に、安心材料や今後の方向性をお伝えする等、情報提供、収集を行う必要があります。
滝子でも近隣住民や関係者(区長、民生委員等)に対するアプローチ不足はまだまだありますので、自宅生活を継続していく上でも、このあたりを推進していかねければと考えています。
地域の中で要介護の方が一人で暮らしていくには、多くの人の手や目、理解協力が必要となります。
小規模もそうですが、デイサービスや訪問介護事業所も、その基本方針の文面の中に、「・・その居宅において・・」という目的が記されている以上、近隣住民の方へのアプローチも仕事の一つだと思うのです。
「住み慣れた自宅で暮らしていきたい・・・」
そんな利用者の気持ちに応える事業所を目指していきたいと思います。
でも今日送らせて頂いた方は、クラブ滝子でのケアの副作用として「ここの方がええ」となってしまっているので、「○○さんの家は味があっていいですねぇ~」「やはり住み慣れた自宅が一番ですよね」等々の帰宅促し話法で気持ちを盛り上げて送させて頂いているところです(笑)
大切なことは、自宅の中でご本人さんとしっかり関わることで、その方と人間関係を作り、その方をよく知り、その方の力で暮らしが成り立つにはどうしたらいいかと考え続け、アプローチをし続けるということでしょうか。
他人の居住スペース、暮らし、人生に突入できるのはすごいことです。
そのことを真摯に受け止め、そこで得たもの、情報をご本人さんに還せるようにしたいものです。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治