世論を動かす
認知症の徘徊メカニズム研究へ
読売新聞 6月10日(火)配信より一部抜粋
認知症の人が行方不明になるケースが相次いでいる問題で、厚生労働省は10日、徘徊(はいかい)する人の行動パターンに関する研究に乗り出す方針を決めた。
田村厚労相が同日の閣議後記者会見で明らかにした。徘徊のメカニズムを解明することで、行方不明になるのを未然に防ぐ狙いがある。
厚労省は夏以降、都道府県を通じ、行方不明になった人について、徘徊のルートや、どんな心理状態の時に徘徊するかなどの実例を調査。集まったデータを基に来年度、調査対象地域を絞って、行動の特徴について詳細に分析する。
と発表がありました。
【徘徊】 目的もなく,うろうろと歩きまわること。うろつく こと。
個人個人の行動パターンはある程度あると思います。
しかし人それぞれの、数え切れない程の個性・性格・それぞれの疾患、環境があるものをパターン化できるのでしょうか。
夕方になると、そわそわして動き出すという話はよく聞くことがあります。
それくらいのパターンはあると思います。
しかし個人をよく見ていると、必ずしもパターン化している訳でないように思えます。
その時々の体調、環境、他者との関係に影響を受けています。
よく出かけられる方を見ていると、以下のような理由が思いつきます。
「トイレを探しに」
「嫌な人がいる」
「嫌な事を言われる」
「行きたい帰りたい場所がある」
「会いたい人がいる」
「出る癖がついている」
「体調が悪く落ち着かない」
「用事を思いついた」
「気になるものが見える・聞こえる」
「そこにいる意味が感じられない」
「やることがない」
「自分を見てほしい」等々・・・
記憶障害があり、見当を付ける力や判断力が衰えやすい認知症。
その場の環境に適応する力が衰えていきやすい状態にあります。
それを、多くの方の情報からパターン化できるのか、ちょっと疑問を感じます。
決して、国の動き批判している訳ではありません。
データから見えてくるものがあり、それを活かして助かる方々が出てくることを望みます。
そもそも「徘徊」と呼ばれる、「目的がなくうろうろ」といった言葉がおかしいと感じます。
上記のように、その時々により色々な外出する目的があると思うのです。
ですから、パターン化するというより、
「個人の特性や環境を見極める視点」
「認知症の方が外出することを応援する街作り」
「的確なアドバイスができる人や場所を増やす」
等々に時間とお金をかけた方が現実的のような気がします。
個人的な意見ですが・・・
一番大切なのは「人」をよく知るという事だと思います。
そして答えや解決策は、そのご本人の中から導きだすものだと思います。
今回の国の動きは、5月に放映された「認知症800万人時代 行方不明者1万人」
以降に出てきた話だと思うのです。
世論が動けば国も動くということでしょうか。
世論を動かずアクションは日々の介護職の動きが鍵を握っているのだと思います。
もっと現場の声・動きが地域へ発信されるといいですね。
皆でこの国が抱える大きな課題に立ち向かっていきたいものです。
(認知症関連番組のお知らせ)
クローズアップ現代
6月17日 NHK総合 午後7時30分~7時56分
自分の将来より家族との時間を
~若年介護者17万人~
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
今日は日曜日。
夕食は「寿司を食べに行こう」となりました。
1,2階の入居者11名のお年よりの軍団が街を闊歩します。
狭い店内。 でも工夫してなんとか場所を確保。
皆で酒も飲み、飲めや騒げや 笑