『今』を生きる
Published by sato
ご飯を食べるため、調理をする
お出かけするため、お洒落をする
寝るため、寝間着に着替える等
先のことを見据えて、今やることを判断し行動することは日常生活の場面で数多くあることではないでしょうか。
しかしながら、認知症等により、先のことを想定したり、記憶に留めておくことが難しい人にとって、先を見据えて計画的・効率的に行動することは難しくなってくるといえます。
その点でいえば、職員の方が先を読み行動できることの方が多いはずです。
そこのギャップを理解し、いかに利用者・入居者に沿えるかが我々の仕事の基本的なところではないでしょうか。
例えば、職員側の観点から「こうしてほしい・今はここに留まっていてほしい」と利用者・入居者に願う場面は少なからずあると思います。
そのようなタイトな場面において、「〇〇して下さい」「ここで座っていて下さい」と、一方的に支持する・ただただじっとさせるのは、「職員のペースについてこない=この利用者又は入居者は何もできない」という意識が少なからず働いてはいないでしょうか。
できることを我々専門職が模索し、それを「やりたい・やってみよう」と思う本人の気持ちがきっかけとして行動できるように努めることが重要なことだと感じます。
先のことが分からなくても、記憶に留めることができなくても、今この瞬間を積み重ねて生きていることには変わりありません。
大事なのは、入居者・利用者が今をどう生きたいのかといった視点ではないでしょうか。
「今何がしたいのか・今何を考えているのか・今すべきことは何か・今抱いている感情」等、見極めが難しくともあの手この手で探り、追求することが支援に求められることだと思います。
小規模多機能・クラブ滝子 後藤 欣大
天気の良い日、屋上にて
2014年10月29日 Category:スタッフ日誌