専門職として
「認知症などで過去を思い出せないのは、記憶が失われたのではなく、残っているのに取り出せないだけーー」
そんな可能性を示すマウス実験の成果を理化学研究所のグループが発表したとのこと。
一時的に忘れている?覚えていない?状態になっていても、記憶細胞を活性化させると記憶が引き出されるということがあることから、そのような推論が出ているようです。
「記憶」は残らなくても、「感情」は残る。
これは認知症という状態にある方に対して、以前から介護業界で言われていることです。
認知症という状態にあって、記憶に障害を持たれていても、「記憶に残す」ことや、そこに絡めて「感情が残る」ことが分かっていれば、普段からの関わりの中で、そこを意識した声かけや態度を示すことが必要です。
それが専門職としての大切なスキルだと思います。
忘れてしまうかもしれない
思い出せないかもしれない
だから色々な場面で、「適当」や「ごまかし」「嘘」でその場をしのいでもいいように思えるかも知れません。
しかし、実際には引っ張り出しにくいとはいえ、記憶に残っていたり、感情を持てるということです。
記憶のあるなしで対応を変える事自体おかしな話です。
その一瞬一瞬の関わりの際に、誠意を持った真摯な態度で接する事が必要ということです。
「信用できる人か」「頼れる人か」「一緒に歩んでくれる人か」「自分の味方か」
「信用できない人か」「頼れない人か」「一緒に歩んでくれない人か」「自分の敵か」
そんな相手側からの見極めは、日頃の関わりの中の「記憶」「感情」の積み重ねの中で作られていくものだと思います。
ですので、私達の「態度」や「言葉」、「思い」は、相手にとってプラスであることが問われます。
それが専門職としてのスキルの一つだと思います。
今、うまく関わりができていないと感じてる方へ。
「記憶」「感情」に残っていくとすれば、これからでも関わり方、意識を変えれば「変わる」可能性があるということです。
自分が変われば、自分から変われれば、相手との関係も「変わる」「変われる」ものなのではないでしょうか。
根拠を知り、意識を変えるーー ちょっと挑んでみませんか?
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治