「対応」
「対応」
1 同種の二つのものが向かい合い、対になっていること。
2 対立・相当する関係にあること。
3 互いにつりあいがとれていること。
4 周囲の状況などに合わせて事をすること。
よく使う言葉でありますが、その意味を調べると
「同じような立場」といった意味合いと「状況によって動く」ことの意味があるようです。
僕らの業界では日々色々なことが起こる中で、後者の「状況によって動く」意味合いで使う事が多いのではないかと思いますが、その時の応じ方にもう一つの「同じような立場」を意識する必要があるのだと思います。
「対応」する時には「対応」を意識しましょう
という、分かりやすいようで分かりにくいような表現ですみません。
利用者さんが何かをするのを受けて「止めたい」「こうしてほしい」という対応行動をよくとる仕事だと思います。
その時にもう一つの「同じような立場」という意味での対応を心がけたいのですが、それができていない場面を滝子で時折見かけます。
「それはダメですよ!」
「やめて下さい」
「○○しましょう!」
1,2,3階全体で見かけます。
この場合の「同じような立場」が結構難しいのが事実です。
高齢で、認知症があり、要介護状態で、家から住まいを移されて、共同生活を強いられて・・・
と同じような立場に僕らがないのは当然です。
でも僕らには専門職としての「想像力」と、人間性としての「温かさ」という武器があるはずです。
相手の状況に「思いやり」をもって、時には笑いを織り交ぜながら「相手のために」必要な関わりをする。
これが仕事の基本のひとつだと思うのです。
自分で自分が護れなくなって目に前にいらっしゃるのですから。
「自立支援」は目的としては大切ですが、そこに向かうための対応の仕方が土台にないと離しにならないのだと思います。
困ってたら「大丈夫ですか?」
迷ってたら「どうしました?」
うまくいかなければ「力になりましょうか?」
失敗したら「手伝いましょうか?」
僕らには、相手の立場を理解しようとし、分かろうとし、その立場を想像する力があるはずです。
そしてそれに対応すべく、「相手に合わせるために自分の存在感を変化させ」「相手のストレスにならないように関わる」事が大切なのだと思います。
介護保険の目的に沿って仕事をする僕らですが、「自分のことが自分でできるように」という事を目指すためには、「関係性」と「対応力」が土台にあるという事を忘れてはいけません。
「○○のためにこうすべきだ!」
「○○ができるようになるためにはこうだ!」
という主義はちょっと淵においておいて、
相手の立場に自分を置き換えて、
「この言葉は理解できるのだろうか?」
「自分がこう言ったら相手はどんな気持ちになるのだろうか?」
そんなセンスを磨きながら
「思い上がり」
ではなく
「思いやり」
を肝に銘じて、仲間と確認作業をしていきたいと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
昔の親は子供の成長を祈り、どんな想像や対応をしてきたんでしょうね。