活用
「二十歳を迎えました!」と言いきる今年92歳の女性Oさん。
本日もきっと、一番乗りでリビングに見えるはずのこの方の席に、そっと封書2通を置いみました。
誕生日を迎えたOさんへのメッセージが入っています。
日頃から、女性達との口論が活発(?!)な男性入居者お2人が書かれたメッセージです。
先日このお2人に、Oさんがもうすぐ誕生日だと伝えてみました。
~社交辞令も大事だしー~くらいに考えて、筆を預けた自分が恥ずかしいくらいに、お二人とも、1時間近くかけて、贈る言葉を書かれていました。
部屋にある座卓に向かったお一人は、下書きの紙が足りず、ティッシュの箱の裏にまで、何度も何度も下書きをして、
「漢字は間違ってないか?」
「文章はこれでええか?」
「配置はおかしくないか?」
「日付は入れたほうがええかな~?」
など考えに考え、私にはとても書くことができない、味のある手紙に仕上げていました。
(施設から出す封書の差出人のところを書いていただくとか・・この羨ましい才能をなにかに活用できないかなあ、など余談ですが考えてしまいました)
「誕生日」
ご本人がどう過ごしたいか、どう祝われたいか否か・・への支援だったり。
祝ってあげたい側の人たちへの支援だったり。
興味はないけど、ごちそうや、お出かけなどには、ありつきたい人もいるだろうなあとか。
誕生日のメッセージを考えながら、相手を思い描き「いつもいる人」から「○○さん」に変わる瞬間があったり。
今日のOさんのように、ハレの日を意識する姿があったり。
「入居者さん同士」を育むための、瞬間々々の橋渡しは、大切だな~と改めて気づいたり。
今まで知らなかった、その人の一面や能力を発見することができたり。
私達、イベント屋さんでもないし、こんなことを考えながら、今日も繰り広げられる9人の日常生活や共同生活に、半日常「誕生日」を、ちゃっかり活用できたらなあ!と思ってしまいます。
まとまりのない文章で、ごめんなさい。
本当にあの才能が、羨ましいです。
グループホーム滝子通一丁目
駒木根純子