経験の積み重ね

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要介護は一番重いランク

認知症の状態は結構進行中

意思疎通は難しく会話の成立はほぼ不可

 

そのような状態の方は、滝子の施設にも何人かいらっしゃります。

よく言われるのは、「何もできないし、分からないのでは?」と。

 

しかし心はしっかり生きていますし、意思もお持ちです。

ただ上手に言葉や仕草で表現できないだけです。

 

体の機能も立ったり歩いたりできなくても、腕や足、指を動かす事は皆さんできます。

食事、トイレ、お風呂は、ほぼ全てお手伝いさせて頂くのですが、その時に心や体の力はしっかり残っているんだなぁと思う事は色々な場面であります。

 

例えば、靴下を履いて頂く手伝いをする時。

自分はおおちゃくですので、片方の足の靴下を履いて頂いた後、続いてその足の靴を履いて頂こうとするのですが、片方の靴下を履いた後、もう一方の足が自然と動く方は結構多いと感じています。

 

これは、例えば右の靴下を履いたら次は左の靴下を履くということが分かっている、もしくは体が自然と覚えているという事だと思うのです。

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上着も、右の袖を通すと、自然と左の腕が動くとかもあります。

 

そんな足や手の指一つの連動した動きを見ていると、脳が壊れているように見えても、長~い人生の経験が心と体にしっかり詰まっていて、その力はいつまでも使えるのだと感じています。

人は1歳の頃にはこういった感覚は身についていて、それが70年80年生き続けているのです。

指一つの動きにも、人って、時間って「すごいなあぁ」と介助の瞬間、仕事のに感じる事があります。

 

今後も、ご本人の心と体の動きをよく見て、息を合わせ、ご本人の生きてきた人生を感じつつ、支援をさせて頂きたいと思います。

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

 

2016年09月29日 Category:スタッフ日誌