「自立支援」と「尊厳配慮」
「今日の夜のおかずは、これにしようか?」
滝子には、認知症という状態にあっても、介護保険の基本理念にある「有する能力に応じ自立した(ように見える)日常生活を送れるように」支援しています。
日々の暮らしの中で、持っている力を引き出し活用し続けることで、体や脳の機能維持を目指したいと思っています。
「シーツ張り」
4年半前の開設の時からいらっしゃる方(左側)も、入居数か月の方(右側)も、「機能維持」という視点よりかは、「自分の事は自分で」という、人として普通に生きる中での当たり前の生活行為を、主体的に行っている姿が日々のあちらこちらでみられます。
このような、一見自立してしるかのように見える方々もいらっしゃれば、体は動かず、言葉もうまく話せずといった、生きていく上でのすべての行為(着替える、移動する、食べる、トイレの後始末、お風呂、選択枝の決定等々)を職員の手に委ねられている方々も全体の3割程おみえになります。
このような方々に「自立した日常生活を!」といっても、無理があるといいますかできない訳です。
このような方々にはどのようなアプローチが必要になるのかといいますと、介護保険のもう一つの基本理念である「尊厳の保持」を中心に関わらせて頂くのが私達プロの仕事です。
とは言いましても、現在の滝子の課題の一つはここにあり、「尊厳」に配慮した声かけや関わりができてないなぁという場面があります。
直近の職員会議等で、皆で今一度確認と、配慮の徹底を進めていかねばと思っています。
話せない、動けない、表現できなくても、
「心は生きている」
訳ですし、そこにいらっしゃるのは
「人」
であるには違いありません。
「認知症を扱う世界」
にならぬよう、気を引き締めて、いい仕事でできるようになって行ける専門職集団を目指していきたいと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
「店員さん、ワンタンどこにある?」
「ランタン? ワンタン? それどんなものですか?(店員二人)」
「・・・苦笑」