晴れのち嵐のち晴れ
本日は希望者を募り、近所の居酒屋で一杯。
要介護状態になったとしても「普通の暮らし」を目指す滝子通一丁目福祉施設で、ようやく普通のことのひとつが実施されました。
つまみの串を片手に、生ビールを飲まれる方、日本酒を飲まれる方、それぞれ楽しまれていました。
その姿は周囲に溶け込み、なんの違和感も感じられないようです。
「今日は本当に良かった」「楽しかった」「おいしかった」等々の声が聞かれました。
そこまでは「晴れ」
これで今日のブログのネタは終わるハズでしたが・・・
帰ってしばらくすると、リビングで騒ぎが・・
居酒屋へ行った方と、残って食事準備・片付けをされた方との間でかつてない程の喧嘩が勃発していました。
「自分達は食事を作ったり片付けして大変だったのに」と内心思っている方が、帰ってきた呑み会組みに対して冷たい態度をとったそうな。
そんな空気を察知して呑んできた方が「そんな態度はないでしょ!」と言ったのが発端で、大口論となり収拾がつかない状態になっていました。
これ「大嵐」
このまま喧嘩別れをして、部屋に戻って夜が過ぎ朝になれば、ある程度忘れているとは想像できます。
しかし、記憶は残っていなくても嫌な感情は残ったりするものです。
それに「おいしい酒」であったはずが、「まずい酒」で終わるのももったいない話です。
ここで出動です。 出動しなければ「仕事」ができていないことになります。
喧嘩別れしそうな場面で、両者に席に留まって頂きました。
まずは内に秘める負のエネルギーは発散するためにある程度吐き出してもらいます。
それを受け止めながら徐々に矛先を変えていきます。
そうこうしているうちに、何で怒ってたのか分からなくなってきている様子。
ここが記憶障害をうまく活用するポイントです。
そして最後には仲直りと笑いで締めくくり。
関わりに入る時に、「握手」と「笑い」が起きるまでは、仕事をする決意で望みました。
ところがこちらが締めくくりをする前に、入居者さん同士が自ら握手をされたのです。
「さすがだなぁ」と関心させられました。
認知症という状態にあっても、人の心、大人としての立ち振る舞いをされるお二人に感動させられました。
これで「晴れ」 良かった良かった。
今回の事件を教訓に、備えを十分にしながら次回の呑み会を実施していきたいと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
「酒」に「タバコ」
たまんないねぇ~