先を行く人

Published by kato

Bさんの行動に、イライラ・カリカリするAさん。目先と感情先を切り替えていただこうと、Aさんに職員の相談事を持ちかけてみました。

 

「最近ね、うちの母さんがね、年齢も年齢だし、身体が思うようにならなくなってきて、とっても落ち込んでいるんだよね」と少し話を盛って伝えると

むかし民生委員さんをしていたAさんは、何度も何度も本当に首をひねる動作をしながら

「そしたらこう伝えてあげて」と4つ5つのメッセージを母と私に下さいました。

 

Aさん「今はね、老人期の第一歩なんだから、頑張らなきゃ!」

   「それから、これから第二の人生が始まるんだから、楽しんで行かなきゃ」

等々

その頃にはBさんへのイライラ・カリカリは消え、私はといえば・・・

 

・老人期か~。ふ~ん。

・第二の人生っていろんな時にきくけど、(70代の)え、今かー!?

深い感謝とともに少し可笑しみながら聞いている私もおりました。

 

ある日実家の母にAさんから頂いたメッセージを伝えると、「老人期」と聞いて奮起が芽を出すか、少なくとも苦笑いくらいはあるだろうという私の予想に反し、母からは

「その人に、ありがとうって、伝えておいてね」と静かな即答でした

 

その時、なんとなく感じたこと。それは

私も知ることのない母の心境を、きっとAさんは解っていたんだとうなあ、ということです。

成長を続けながら生き、老いを感じながら生き続ける。そのことにおいて間違いなく、私達の目の前にいる人達は、先を行く人達ですよね。どんなに理解しようとしても、先行く者にしか解らないことって、やっぱりたくさんあるんだろうなーと思います。

 

解ったつもりにならず、おごらず「ついていきます」という心の持ち方をしたいです。

私たちは「目の前にいる人達を先頭に、社会と向き合っていることを忘れない専門職」でいたいです                                →

 

 

 

 

PS・

 

92歳までの10年間、祖父の1人暮らしを支えつづけた母も。

成長し続けながら生き、老いながら生き続ける祖父に少しでも添おうと尽くし最期まで祖父が祖父として生きることの力。それらをポコポコと産み出していたことに私も多くを教えてもらいました。

 

世の中のあっちこっちに転がっている学びに、気づけるようにありたいです。

 

H28.6.8

グループホーム滝子通1丁目 2階

駒木根 純子

2016年06月09日 Category:スタッフ日誌