分身の術が使えたら・・
「1人一行動」
これは物理的な基本であります。
慣れれば「気」はあちらこちらに同時に張り巡らす事はある程度できます。
でも職員の体は1つしかないので、1人しかフロアにいない時間にどんな仕事をするかは、
「優先順位」と「仕掛け」が必要な時がでてきます。
歩行不安定な方で、できれば「見守り」「付添い」が必要な時があったとします。
でも他の方のトイレ誘導に行きたい。
こんな時に「見守り役」と「トイレ誘導役」の二つの行動が必要になります。
でもその時間帯の職員は自分1人・・
時間が許せば、見守りの必要が減ってから、その場を離れトイレ誘導をすればいいでしょう。
でも、タイミングや事情の関係で、歩いている方がいても、トイレ誘導に入らなければならない時もあります。
その時にはリスクを減らす「仕掛け」をしたりします。
トイレ誘導して個室に籠ってる間に、見えないところで転倒していた
歩いている方の思考や特徴に合わせてですが、その方が「そこにいる意味」「やるべき事がある」状況を作り、
テーブルに座っている時間を稼ぎ、足止めをさせて頂いている間に「トイレ誘導」を済ませてしまう。
歩いている、歩きたい?本人にとってはどうなのか? というという側面はありますが、
1人の職員は同時に2つの行動がとれないという物理的な法則の中で、
同時ではなく、時差を作るアプローチをする。
現場では、予測力を活かし危険を回避するために、本人の特性、優先順位等を加味しながら、
1人の職員でどうやってリスクを下げながら必要な事を行うかを考えて仕事しています。
写真の方の場合は、時間かかる熱いお茶をお出し、熱中できるTV番組を探し、
(ちなみに日中はTVを使用しない方針です)
少しの間、そこにいて頂ける仕掛け、そこにいる意味を作りながら、
他の方の介助に向かったりしています。
現場は工夫工夫ですね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治