外出

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今月前半にグループホームの一部の方々が岐阜県のお千代保稲荷へ行きました。

(関連記事 7月7日ブログ)

この外出は、皆で共有している昼食費を使用しての食事をとっています。

 

行った人は「食堂で食べたいものを食べている」のですが、この日行かなかった人は通常通り食事を作って食べています。

もちろんバランスをとるために、残っている方々には出前等も検討しましたが、どうするか聞いたところ「あったものでいい」となったようです。

この外出の機会(行った人と行かなかった人に分かれた)、はこれで終了でいいか?

という事が、共同生活上の判断の難しいところですね。

 

この共有している食費を使っての外食の機会には続きが必要です。

皆が同じ所へ行き、同じ物を食べて」という、間違った平等観は必要ないと思いますが、

皆に「どこか行きたい所はあるか?食べたいものがあるか?」を聞いていないという事が課題です。

 

 

私たちの仕事の敵は「区別」「差別」という、こちらの都合による価値観や判断基準が伴うのが良くありません。

個人のお金を使っての個人的な外出、外食なら皆に同じ機会がなくてもいいかもしれません。

ですが今回は皆で使う共用の食費で外食しています。

行く行かないに関わらず、全員にその機会、情報提供がなされるのが共同生活上におけるアプローチなのではと考えています。

 

今回、全員に聞いていない主な理由は、運転手の数、車の乗車人数と、付き添えるスタッフの数などの制約があり、希望されても「全員では行けない」という状態が分かっていました。

ですのでそのような物理的な理由がある場合は、別の日に同じような機会を設ければいいと思うのです。

 

という事で、行けていない残りの3名の内、2名がお出かけ外食に行きました。

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今回は、前回行けていなかった残り3名中2名の参加です。

ここでまた出た課題は、3名の方は外出時は皆「車椅子が必要」という事です。

当グループホームでは日中の職員数は2名なので、買い物にしても外出にしても付き添える職員は各階一人しかいません。

一人で3台の車椅子は押せません!

 

このような場合は違う階へお誘いをかけ、行く方が出れば、行く職員が増え、車椅子を押す人が増える事になります。

結果的には、違う階の方との合同外出になりました。

では、なぜ今回は3名中2名で、一人残っているのか?という事があると思います。

 

それは、当施設で使用している車(ワゴン車)には、「車椅子が2台しか積めない」という物理的環境があるからです。

残りの一人も近いうちにご本人に合う、希望される所へ行きたいと思います。

 

自助具が「杖」の段階では、車を使っての外出は「乗車定員」で動けます。

それが「シルバーカー」「車椅子」の方々が多い介護施設ですと、そうはいきません。

外出時に使用する「自助具」のスペースは結構必要となります。

色々な要素があり、簡単にはいかないのが、高齢者の外出です。

でもそう感じさせないように回りから見えているとすれば、それはいい仕事ができているという事でしょう。

 

外出には緻密な予測や段取りが必要になります。

全体では、時間や道路の行程、現地の情報、トイレ場所の確認、予算、バイタル測定機器、車の座席配置予定や積載物品、タイヤの状態や燃料の確認・・

個人では、小遣い・着替え・パット類や薬・保険証、飲み薬やその他個人に必要な物

 

そんな事を頭でしっかり描けるか、書面化するか。

さっと出かける事もあるのですが、実は積み重ねた経験や、緻密な予測い基づいて行動しています。

 

けっこう手間暇かかりますが、それでも必要や希望に応じて、非日常生活である機会を時々設けていきたいと思います。

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皆さん、ほんとに活き活きしています。

 

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

 

 

2016年07月23日 Category:スタッフ日誌