音
滝子の施設はTVをあまり活用していません。
グループホームには置いてもありません。
意図的にそうしているのです。
介護施設にTVがあると、TV番組を見ていたりTVの前にいる利用者・入居者の姿に安心感を覚えてしまう可能性がるのだと思います。
その結果、TVに任せてしまい、職員との関わりが減ってはいけないという意図で設置しないようにしています。
TV番組に変わり、職員が意識して語りかけ、関わりにいけたらいいですね。
その代わりに「ラジオ」や「音楽CD」を流す「ラジカセ」は各階設置して活用しています。
一日を通し、場面場面でラジオ番組や、色々な音楽を流していますが、ちょっと気になっています。
それはある意味TVと同じで「流しっぱなし」になっており、「意図的」に活用できているのか?という事です。
その時間、シーン、雰囲気、メンバーに合っているか?
音の大きさは、場面場面で適切な音量か?
「何でもいいから、静かすぎないように音を出していけばいいや」となっていないか?
音も環境の一部です。
ご本人にどんな影響が及んでいるのか?という事も時々考え・感じてみるといいのかもしれません。
なかには、音楽(歌)に引っ張られて、食事の手が止まってしまう方もいます。
CDの歌をリピートしっぱなしにすると、「頭がおかしくなってくるわ」と言われる方もみえます。
何も言われない方の中には、音が耳障りに感じてみえる方もいるかもしれません。
食器をガチャガチャ片づけたり、洗う音はどうなのか?
音楽や音が、人の脳に働きかける影響はとても大きいと聞いたことがあります。
場面場面で、意図をもった適切な音楽や音とボリュームを、介護の場面に組み込んでいけたらいいですね。
反面、一日中ラジオや音楽CDが流れっぱなしもどうかと感じています。
時々意図的に音や音楽を切って、「静」の雰囲気や脳への働きはどうかを感じ・考えてみるのも大切なのではないでしょうか。
今一度、自分のフロアや自宅の中での「音」「音楽」を意識してみて、どのような影響や気分に絡んでいるのか、気にしてみてはいかがでしょうか?
「音」は暮らしにとって、気分にとって、とても大切な要素であり、それを意図的に活用していくのも「生活支援」の醍醐味だと思います。
目を閉じて、利用者・入居者が感じている世界・暮らしの「音」を意識してみてはいかがでしょうか。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治