「依存」から「自立」へ
「依存」・・・他に頼って存在、または生活すること。
クラブ滝子では、毎日新聞を取りに行かれる役割を持っている方がみえます。
3階から1階玄関前のポストへ行って頂いております。
(他の入居者へ当日の天気予報を発表して頂いています)
最初の頃は職員が最初から最後まで付き添い、誘導をしていましたが、毎日同じ行動を繰り返す中で、歩行やルートや判断の状態を見極め、一人で往復できると判断し、最近ではお一人で行って頂く事が増えてきております。
慎重派で依存心の強い方で「一緒に行きましょう」と職員が促して行けていた方ですが、少しずつ距離を取ったり、後ろへついたり、所々で声かけをしながら、だんだん姿を見せないように(現在の所は見つからないようにあちらこちらで見守りをしています)していますが、毎日の繰り返しの中で脳と身体が覚えた行為なので「行ける自信」がついてきているのでしょう。 自信は自分を信じる力ですから。
(後ろから気づかれないように見ていたり・・)
(3階から見ていたり・・)
あとは一人でも「行こう」「行ける」という気持ちがより育って頂ければいいなぁと思っています。
これも毎日の繰り返しの中で「依存」から脱却し、「自立」へ向けての大切な支援だと思っています。
付き添いだと階段で行っていても、お一人だと楽をしてエレベーターを使ってしまう事が多いのですが(笑)
そこはそこで、「階段を使わない」よりも「一人でやり遂げることができる」ことの方が大切だと思うのでいいのかと思っています。
そのうち毎朝「エレベーター点検中」「故障中」とすれば階段を使って行かれるでしょう。
最近は自宅にいらっしゃる時にも、行きつけの喫茶店でモーニングをされる事が多くなってきていますし、「自分の力を使って生きる」感覚を少しでも多く取り戻していける支援を続けていきたいと思います。
外へ出る前のためらい時間は毎回1分程度・・・誰もついて来ないのか?一人で行けるか?
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治