「大逆転」のススメ Vol 7.2

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「大逆転」のススメ Vol7.1の続きです。

 

【療法まみれの館で療法漬け】 大逆転の痴呆ケア P89より一部抜粋

・・支援は、痴呆という状態になってもそれまでに築き上げてきた「生活の姿」をどう維持していくか、そのために必要なことは何かを考えていくことから始まるのであって、生活(行為)を奪って療法まみれの館で療法先にありきの療法漬けにすることではない。

 

【回想だけじゃつまらない】 大逆転の痴呆ケア P89より一部抜粋

・・たとえ痴呆という状態であっても今を生きている人であり、決して過去だけで生きているわけではないことを忘れてはならない。

・・僕らは、今を豊かに生きるために婆さんの中に秘められた「今を感じる」「今を表現できる」能力に依拠する技をもっと身につけるべきであり、”今療法”を磨くことである。

今療法は、だれもが駆使している技であり、だれもが展開できる手立てでもある。

 

【街は「療法」の宝】 大逆転の痴呆ケア P91より一部抜粋

・・街には宝くじのようなハズレはなく、出かければ必ず宝物に出会う。

こんなステキな宝を活用しないのは、婆さんたちを人として扱っていない証である。

婆さんたちを街から遠く離れた箱の中に囲い、その箱の中で「なんとか療法」だなんてとんでもない。

1日8時間だけ囲われた箱の中で時間を過ごす職員だって、街という宝の山で自分自身を取り戻しているではないか。

一方、婆さんたちにはそれを許さず、プログラム・療法漬けにしてしまう。

そのことに何の疑問ももたない専門職の「専門」とは何かと、問うてみたいものだ。

婆さんたちが今を生きる人として、居間でも街でもどこででも、そのもてる力を存分に発揮して主体的に生きていけるように支援していきたいものだ。

 

 

以上、「大逆転の痴呆ケア」文中のあちらこちらから部分抜粋なので、機会があれば全体や前後の文と合わせて読んで頂きたいと思いますが、和田の語る「療法」の捉え方、活用方法は「そうだよなぁ~」といったことが感じられるのではないでしょうか。

 

誤解してほしくないのは、決して「療法」を否定的に捉えているのではないということです。

まずは自分の力を使って生きているという体感を増やすこと、生活行為を自分の力で行えるようにすることを丁寧に丁寧に積み上げることを大切にする中で、専門のアプローチである「療法」も加えてみるのが、よりよい暮らしに繋がるのではないかということです。

 

「療法」は行うことが目的ではなく、そのことを通じて、豊かな生活へつなげるためのアプローチの一つであるということを理解して、活用していく視点が大切なのではないでしょうか・・・

 

話は変わりますが、昨日は地元の小牧市の認知症支え合いネットワーク会合に参加し、今月29日に行われる模擬徘徊訓練の打合せに参加、本日は、古巣の江南市の模擬徘徊訓練に参加してきました。

多くの関係者の協力のもと、賑やかに実施されました。

お隣の扶桑町の行政職員さんや、川を越えた向こう側の各務原市の地域包括の職員さんも、それぞれの地域で同様の訓練を実施し、認知症対策に関する啓蒙活動を展開する準備として参加されました。

 

名古屋市も10月から全域で「はいかい高齢者おかえり支援事業」という24時間365日の捜索ネットワークが開始されました。

 

ここまでに時間はかかったのかも知れませんが、いよいよという感じがしますね★★

行政の職員さんにもお願いしたのですが、行政単位のみの実施で終わるのではなく、近隣の行政とも連携を図り、皆でネットワークを確立していくことが大切になってきますので、どんどん情報交換や共同開催を目指してつながっていきましょうとお願いしました。

まずは、メシ会で仲間を増やしていくことが大切かも知れませんね。

 私達もそうですが、ふらっとお出かけされる時には、自分の市町村内で完結するとは限らないですものね。

 

前回の広島の研修に呼ばれた時の帰りに乗車した新幹線「さくら」です。

なんか普通指定席なのに、グリーン車みたいでした★

喫煙所もステキ(笑)

 

Published by 井

 

2012年11月02日 Category:大逆転のススメ