「大逆転」のススメ Vol 8

Published by i

「持込み型から飛び出し型へ」 

 

理美容師に来てもらう。

カラオケの機材を借りてくる。

習字を教えてくれる人に来てもらう。

寿司屋さんに来てにぎってもらう。

祭りをやる・・・・・。

 

往々にして、施設では何かと施設に持ち込むことを考えるものだ。

しかし大切なことは「来てもらう」ことから出発することではない。

 

理美容院に行こう、カラオケボックスに歌いに行こう、習字を習いに行こう、寿司屋に食べに行こう、祭りに出かけよう、

こうした「行こう」を実現するための方策をまず探すことである。

 

ただでさえ高齢や痴呆という状態になり、社会から遠ざかっている婆さんたちである。

社会からかけ離れて「手厚く」すればするほど、社会的な生き物である人間としての姿を失うばかりである。

施設に住んでいても、一般社会に存在する人と同じであることが基本だ。

 

「大逆転の痴呆ケア」和田行男著 中央法規出版 P127より抜粋

 

 

 

施設に持ち込むのではなく、必要なものを調達しに街へ繰り出す。。。

 

食材を調達しに、毎日毎日往復1.5㎞の市場へ午前・午後2回の買い出しに行く。

お寿司屋さんに食べに行く。

近所や行きつけの美容室へカットに行く。

カラオケボックスにバスで行く。

イオンにぶらつきに行く。

馴染みの喫茶店に行く。

誕生日ケーキを予約し取りに行く。

紅葉を見に行く。

自宅へ衣替えの服を取りに行く。

お見舞いに行く。

手紙を出しに行く。

100円均一へ日用品を買いに行く。

役所へ手続きに行く。

かかりつけの病院へ行く。

公園へ散歩に行く。

近所のグループホームへ遊びに行く。

人を見送りに名古屋駅へ行く。

本を買いに行く。

服を買いに行く。

おやつを買いに行く。

お参りをしに神社に行く。

祭り・夜祭に行く。

 

「行く」「行く」「行く」・・・

僕らは、認知症になっても障害を持っても、社会的な生き物である人間としての姿を取り戻せるように、今後も「行き」続けます。

 

1ユニットあたり、6.0人の職員配置で助け合い、工夫しながら行ける限り行き続けます。

そろそろ、なばなの里へ、イルミネーションを見に行かねば。。。

 

Published by 井

 

 

 

2012年11月20日 Category:大逆転のススメ