「大逆転」のススメ Vol 7.1

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【療法・・・それはオプション】 ~生活療法ではない~

 

よく「和田さんの実践は”生活療法”ですか」と訊かれるが、「生活療法ではない」と答えている。

なぜなら、生活は生活であり、療法というのは生活を支えるオプションにすぎないからである。

療法などというものでくるまれた生活があるとしたら、それがどんなものか見てみたいものだ。

 

療法とは、ある特定の疾患とか状態に対して、ある目的をもって、ある効果・結果を得るために行うことである。

つまり、通常の人間の状態とは違うと考えられた「特別な状態」になったときに、ある獲得目標に対する効果(治療的効果)を目的として、特別な手法や技法を使って行う手立てともいえる。

それは、「特別な状態」を診断・治療する医療も含めて、人が生きていくことを支援する”オプション”行為である。

 

これまで療法と名のつくものといえば、「理学療法」「作業療法」「言語療法」「音楽療法」「運動療法」「食事療法」くらいだったが、気がつけば、「園芸療法」「アニマル療法」「芸術療法」「計算療法」など、さまざま療法たちが出現している。

また「回想法」というのもある。

 

確かに、こうした療法が、婆さんの能力の維持・回復・引き上げ・拡大につながれば結構なことである。

また、そのことによって、自分の能力を発揮して主体的に生活を営むこと(生きること)ができるようになればもっと望ましい。

そうなれば、こういった手立ても素敵なオプション活用術だといえるが、オプションがメインになってしまうと本末転倒になりかねない。

「大逆転の痴呆ケア」和田行男著 中央法規出版 P85~抜粋

 

このページの後にも大切な考え方が多数述べられているので、次回(Vol7.2)につなげたいと思います。

10月20、21日に広島で行われた第10回日本通所ケア研究大会・第8回認知症ケア研修会(合同開催)の一般演題発表(認知症ケア部門)の座長と、その後のセミナーの講師として参加させて頂いたのですが、その中でも「療法」といった名が多く出ていました。

基本的に通所系事業所からの発表ですので、オプション的な位置付けの「療法」を取り入れるのはOKだと思います。

実施した効果も確認できましたので、OKだと思います。皆さん素晴らしかったです★

 

ただ、あくまでもオプションであり、私達の仕事は「有する能力に応じ自立した日常生活を送る」ことを目指すという考えが根底に根付いているのかまで確認する時間がなかったので、この場と、和田さんの「大逆転~」のフレーズをお借りして書かせて頂きました。

長くなるので、Vol7.2へ続きます。

 

それにしても参加者は全体で1000名!だとか。

大会の大成功を祈りながら1日目終了後、懇親会の途中で名古屋へ戻りました。次の日夜勤だったので・・スミマセン。

それにしても、大会主催者側のスタッフ・全国からの参加者の皆様、素敵な方々ばかりでした☆

大会中の写真は撮り忘れたので、帰りの道中の写真くらいは次回にUPします。

新幹線「さくら」良かったですよ~(笑)

 

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2012年10月21日 Category:大逆転のススメ