「うまい!」

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小規模多機能型居宅介護「クラブ滝子」利用中のH様。

年明けから体調を崩し入院されていました。

1月末に退院してから無気力傾向で、口から出るのは「横たになりたい」ばかりです。

 

ちょうど2週間目の今日、「喫茶店にでもいきませんか?」とお誘いしました。

首を横に振られました。

しかしその直後、「オロナミンCが飲みたい」と言われました。

 

間髪入れず「では買いにいきましょう」「コンビニですか?スーパーですか?薬局ですか?」と伺いました。

「薬局がええ」と言われたので準備をし、薬局へ向い、購入して頂きました。

車椅子を忘れた事にして、店内をカートで回って頂き、商品を探し、持ち上げ、お金を払い、クラブへ持ち帰りました。

 

 

部屋に戻った直後、早速フタを開け飲まれていました。

 自分の力を使って手に入れてきたものですので、特においしいのかもしれませんね。

 

今回みたいに「即実行」とはいかない時もあります。

ですが、主体性を導きだす大切な機会の一つだったと思います。

「思いを実現する支援力」

その姿勢が主体性を導き出すきっかけになるのだと思います。

 

認知症は過去を忘れる力を持っています。

入院していた事など吹き飛ばし、こんな「今」を積み重ねることで、今日を明日を生き抜く力を導き出したいものです。

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

ぼそっと「うまい・・・」

 

2014年02月11日 Category:スタッフ日誌