「そのとき」

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昨日夕方、近畿を中心とする広い範囲に「緊急地震速報」が発令された。 結果、誤報で何事もなくよかったです。 施設内の動きをチェックする上でもいい機会となりました。

 

「そのとき」の施設の出勤スタッフは11名 (送迎中1名、買い物支援中2名、入浴介助中3名、フロア待機5名)

 

このうちリアルタイムで速報を知ったスタッフは5名、遅れて知ったスタッフ4名、業務終了後に知ったスタッフ2名という状況でした。 情報の入手媒体は、携帯5名、ラジオ等4名、ニュース1名、知らなかった1名

 

情報入手後、利用者の頭に枕を当てリビングへ誘導したスタッフもみえましたが、ほとんどのスタッフが、「揺れたら行動」「様子見」をしている状況だったようです。 業務遂行中(入浴介助や買い物支援)の4名のスタッフは気付かずそのまま続行していました。(自分も入浴業務を続けていました)

 

このことから見えてきたのは、職員間(グループホームは一人の場合もありますが)で声の掛け合いや、確認し合っている様子がみられなかった事です。 大多数のスタッフが「揺れたら行動」「様子見」ということで、行動を起こさない傾向が強い結果となりました。

 

そもそも何のための「緊急地震速報」なのか。気象庁の解説によると、

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 ・大きな地震が発生した場合、震源に近い地震観測点で得られた地震波を解析して、早急に、震源、地震の規模(マグニチュード)を推定し、まだ強い揺れ(主要動)が到達していない地域における地震動の強さ(震度)が到達する時間を予測し、可能な限り早く情報提供するものである。

 ・地震による被害、とくに人的被害の防止・軽減に大きく寄与するものとして気象庁が発表している地震情報である。

・この速報は、2007年10月1日から、一般に向けての提供が開始された。一般の人々には、おもにテレビやラジオ、携帯電話、防災無線などの速報として伝えられる。

・最初の情報が発表された時点から主要動が到達するまでの時間は、震源からの距離によって異なるが、大略、数秒から数十秒とごく短い。さらに、震源に近い地点では情報が間に合わないこともありうる。

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「緊急地震速報」は、かならずしもつねに万全とはいえないが、速報に接した場合には、周囲の状況に応じ、あわてず、まず 身の安全を確保し、災害の防止・軽減のための適切な対応ができるよう、日頃から対策を検討しておくことが必要です。

 

今回の誤報はいい意味で、現状の課題と今後の対策を考えさせられるいい機会となりました。 取り急ぎ、職員全体に速報や大規模地震の発生時の行動と注意点を伝達することにしました。 施設のある地理や規模、利用者やスタッフの状況によってその行動方法は異なりますが、波の女の場合以下のようなことを徹底していきたいと考えております。

 

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「揺れたら」「様子見」ではなく、即自他の安全確保に向けて即行動開始!

(誤報だったとしてもOK。リアル訓練だと思いましょう)

 

1、作業や業務を中止し、職員間で大きな声(地震!机の下に隠れて!等)を出す

2、頭を守りつつ、机の下に隠れて頂く。 近くに机がない場合、その場で頭を抱えてしゃがむ(落下物に備える)

 

その際に注意する事として・・・

・歩行不安定な方が歩行している場合や、タンスや食器棚、ガラス窓の側にいる方の安全確保に務める

・熱い調理物(汁物、揚げ物、焼き物)の処理

(運転中)ハザードを点灯しつつ、緩やかに速度を落とすと共に、左側に寄り停車

(外出中)ブロック塀や家屋の倒壊や瓦の落下、自動販売機の転倒、に注意し、そばから離れる

 

揺れが収まったら・・・

 □トイレ内や浴槽内、階段室、エレベーター内に人がいないか確認

 □お皿や落下物、床の水気の除去(転倒、裸足や靴下の方への配慮)

□ラジオ、テレビ等で情報収集

□座布団やクッションを頭に当てながら上階へ避難誘導(余震対策、津波対策)

 □事務所へ情報を集める(スタッフ、入居者の状態やフロアの様子)⇒まとめたら、社長、施設長、副施設長へ報告

□外出者に連絡がとれない場合応援を出す(施設内が落ち着いている場合)

□人手不足の場合等は、緊急連絡網等により応援を依頼する

 □施設内が落ち着いているのであれば、必要職員以外を退社させる

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こんなことを基に、職員間で情報交換、意見交換し、マニュアルの改訂と、スタッフ間で共通認識を深め、それに基づいた訓練を実施していきたいと思います。

 

私達は人命を扱う仕事ですから、自分の身の安全確保と同時に、入居者・利用者の安全も確保しなければなりません。

 今一度、「緊急地震速報」について学び、備えようではありませんか。 「火事」「地震」に備えるのも専門職の仕事です。

 

皆さんの職場でも、「そのとき」にスタッフさんがどのように情報を収集し、どのように考え・行動されたかをヒアリングしてみてはいかがでしょうか。 迅速的確に動けているのか、後手後手になっているのか。 今からでも対策は間に合います。

 

ちなみに、休みのスタッフの聞いてみると、

 「ジェットコースターに乗る直前だったけど、一時運休となりました」

 「デパート内の客やスタッフが一斉に移動させられました」等々の話が聞けました。

 どこもしっかりやってるんですね~

 しっかりやらねば・・・

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

2013年08月09日 Category:スタッフ日誌