「まだ見ぬ介護者へ」を活用しよう!

Published by i

私達の仕事は「自分がしたい介護」という、仕事をする基になる思いやモチベーションが必要になる。

が、それだけを追求していては、チームはそれぞれの価値観によりバラバラになってしまう。

それを揃えるために施設理念があり、その基になるのが「介護保険法」になるのですが、もう一方でそれを実現するために必要なことがある。

 

目の前の方の思いを想像できるセンス。そしてそれを真摯に受け止めることができる自分作り。

 

「私がしたい介護」の先や、次のステップを考える時に、私達の仕事の対象者である方の立場で、考えられる努力、センスが必要となるのではないかと思っている。

そんな時に和田さんの作った詩を活用してみるのはどうだろう?

これを読み合わせ、スタッフ間で語り合ってみてはどうか?

もちろん、実際の目の前のご利用者に置き換えてもらってもいいでしょう。

色々な、大切な視点が盛り込まれていることに気付くことができたとしたら、それは1歩成長です☆

ステキな「詩」ですよね。

 

和田行男・作

私はすべてを失ったわけではありません
どんなことでも まず問いかけてみてください
何でも まず私の意思を確認してみください
食べる 食べない 行く 行かない 暑い 暑くない?
どうしたのって 聞いてみてください
訳のわからないことを言うかもしれまあせんが 私は病気です
痴呆状態にあるのです 進行性の難病といってもいいでしょう
察してください ようく見てください

私はすべてを失ったわけではありません
まだまだ若いものに負けないこともたくさんあります あると思います
でも 若い頃と同じようにはできないでしょう
あせらせないで じっと見ていてください
見ていて 少しだけ手を貸してください
人間の機能や能力は使わないと使えなくなると 若い頃に聞きました
生きるためにたたかう力はまだまだ・・・・・

私はすべてを失ったわけではありません
外だって自由に出たがるでしょう 雲や星が好きです
外に自由に出られるようにしていてくれさえすれば 自分ででかけます
でもきっと目的地には着けないでしょう 戻れなくなるでしょう
そっとついてきてくれると嬉しいです
とまどったり 不安げになったら そっと傍に来て
どうしたのって声をかけてください
きっとあなたのことが天使様に見えるでしょう

私のことを笑ってくれていいですよ
きっとおかしなことを言ったり おかしな恰好をすることでしょう
でもお願いです 陰で笑ったり 自分一人だけで 仲間同士だけで笑わないで
私にも笑っている訳を教えてください
きっと私も笑いの仲間に入り いっしょにおかしむでしょう
だって おかしいことはおかしいと 私にもわかるから

私はすべてを失ったわけではありません
私のことを痴呆老人なんて呼ばないでください
私の名前は 和田サンです
私のことをわがままなんて言わないでください
私はあなたと同じ人間です
ただ 痴呆という難しい状態になっただけです
私の努力では 止められないんです

 

Published by   井

 

2012年03月09日 Category:スタッフ日誌