「もうすぐ死にます」

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コミュニケーションを図るのが除々に難しくなってきているある方が、失禁時の衣類を替えさせて頂いている時につぶやかれました。

 

どこの施設でも時折聞かれる言葉。

時間とともに、色々なことが分からなくなってきている暮らしの中で私たちは何ができるのか。

何をすべきか。

 

「お迎えに来てほしいわ」

「もう死んでもいいわ」

 

このような言葉は、こう置き換えれるのではないでしょうか。

「こんな暮らし(状況)なら死んだほうがマシです・・・」

 

そう「こんな暮らし(状況)」を演出、支援しているのは私たち介護職です。

反省と努力をせねばなりません。

 

あれもこれも分からない・・

排泄もちゃんとできない・・

自分はどうなっていくのか・・

 

本来であればあってはならないことです。

「他人が自分のおしもの世話」をするなんて・・

それも「異性」によって・・

 

「トイレ」や「お風呂」は聖域です。

人として、最も「尊厳」に配慮されるべき場所です。

でも、そこに関わらないといけないのが「介護」の仕事なのです。

 

自分達にできる事は、さりげない介助をさせて頂く事くらいです。

それに加え、「こんな自分が、あなたの大切な尊厳の領域に踏み込む事を許して下さい」という謙虚な思いや姿勢が必要なのだと思います。

もちろん失敗しないように、先回りをするアプローチが必要ですが。

 

苦しいでしょうに・・

辛いでしょうに・・

 

あなたが自分の力を使って生きる事を、最後まで諦めずに応援していきたいと願っています。

尽力させて頂きたいと思っています。

必ず訪れる最後のその時まで。

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

2014年08月29日 Category:スタッフ日誌