「もったいない」や「役得」は大丈夫か?
「もったいない」。そんな理由から、ある市の半数以上の公立保育所で調理員らが余った給食を食べていたことが明らかになった。余った給食は廃棄される決まりで、保育所長会でも「食べてはいけない」と取り決めていたが、周知徹底されていなかった。給食費を払ってないのに“役得”でつまみ食いをしていた行為は、市民の目にはどう映るのだろうか。
■内部告発で発覚
「保育所の調理員が、残った給食を食べている」
市が聞き取り調査に乗り出すと、8保育所で調理員らが余った給食を食べていたことが分かった。給食を食べたことを認めた調理員は最終的に17保育所の計27人に上った。
■昼食におかずの一品として
配膳(はいぜん)前に保育所長や調理員が給食の味や量、盛りつけを評価し記録に残すための「検食」や、調理中の「味見」という業務の一環として位置づけられている場合を除けば、たとえ余ったとしても給食を食べてはいけない決まりになっていた。
しかし、取り決めを知らない調理員が多く、「捨てるのはもったいない」として、余った分を食べたり、余るのを見越して配膳前に取り分けて食べたりしていた。中には昼食を持参しながら、おかずの一品として給食を食べていたケースもあったという。
■どうせ余るのだから
「どうせ余るのだから、取り分けて食べても構わないだろう…」。そんな意識が調理員の間に蔓延(まんえん)していたのかもしれない。
調理員へのアンケートを通して「集団になると周りの意見に流されてしまう傾向」がみられたと指摘している。
■でも、おとがめなし
「給食の材料を持ち帰っていたケースもある」「保育士も食べていた」
市の調査にはそんな情報も寄せられた
■再発防止に向けて
「調理終了後2時間が経過した食品は、全て廃棄すること」。再発を防ぐため市は4月、「調理室の作業マニュアル」にこんな一文を追加した。
市ではほかにも不祥事や不適正な事務処理が相次いだため、市長が6月、管理職を集め「市民に後ろ指をさされないよう、誇りを持って頑張ってほしい」と訓示した。その言葉は、保育所の調理員らにも向けられている。
確かに、まだ食べられるものを杓子定規に規則で捨ててしまうのはどうか-といった意見もあるだろうが、役得的に余った給食を食べていた調理員の行為は、とてもほめられたものではないだろう。
~産経新聞 6月22日(土)配信より一部抜粋~
この記事を読んで、ドキッとする人(職員、管理者等)がみえるのではないでしょうか?
利用者・入居者と食事を共にすることのメリットを大切にする施設も結構あると思います。
しかしその場合、厳密に入居者と職員それぞれが払う食材費や食費と、食べる量が区分できているのだろうか?
以前自分が勤めていたグループホームではとても曖昧になっていました。
入居者よりも少ない食費で、入居者よりもたくさん食べることもありました。
入居者から頂く食材費のみで、職員を含む全ての食費がまかなわれていた事もありました。
さすがに、今回のニュースのように持って帰ることまではなかったと思いますが・・・
確かにたくさんの残りがでることもあり、「もったいない」と思えてしまうのも当然だとは思いますが、入居者から頂く食材費を施設や職員でシェアしてもいいとはどこを見ても書かれていない。
だとしたら、私達のような公的な仕事である介護事業者は、厳密にできるよう工夫したり、職員に伝えていかなければならないと思うのです。
市長が語った「市民に後ろ指をさされないよう、誇りを持って頑張ってほしい」という言葉はそのまま私達にも通じるものだと思います。
市民に家族に入居者に、正直に真面目にちゃんとした仕事をみせていくことが、私達の業界の質を上げていくためには大切です。
今一度、自分の事業所の「もったいない」が、正しい方向に向いてるか、確認しなくてはと考えさせられた今回のニュースでありました。
ちなみに滝子では、そのあたりを厳密にするために職員は一緒に食べずに自分で用意するというスタイルでやっています。
もちろん頂いた食材費は全て使い切るということは当然ですよね。
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職員も募集中です! よろしくお願い致します。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治