「サービス提供拒否」の現状

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先日、小牧市の地域包括支援センター合同の研修会に呼んで頂きました。

前回のブログ「仲間からのメッセージ」でコメントを頂いております。ありがとうございます。

 

私は小牧市民であり、一市民として、自分の住む地域も認知症対応学区になっていってほしいと切に願っていますが、その一助になればと講師を受けました。もちろん名古屋、いや全国的にも、役員の和田の言う認知症対応国家を目指していく必要があると思いますが。

 

今回の研修の対象は市内の地域包括スタッフ、介護支援専門員、病院関係者等にご参加頂き、とても心地いい研修の時間でした。

休日ではありましたが、皆とともに有意義な時間を過ごせたことに心より感謝致します。

 

さて、それはそうとして、本日の研修の質問の中で、グループホームに利用者を紹介しようとしたところ「男性利用者を受入れてもらえない(家事ができないから)」「暴言・暴力があり断られた」等で「どこが受け皿はありませんか?」という話がいくつか出ました。

??? 介護保険事業者が要介護状態にある方の受け入れ拒否をあちらこちらでしている現状に、税金・介護保険料を収める一市民として、又は専門職として複雑な気持ちになりました。

 

そもそも、


第十条(提供拒否の禁止)
指定認知症対応型共同生活介護事業者は、正当な理
由なく指定認知症対応型共同生活介護の提供を拒んで
はならない。

 

第十条の解釈として、
基準第10条は、指定認知症対応型共同生活介護事
業者は、原則として、利用申込に対しては応じなけれ
ばならないことを規定したものであり、特に、要介護
度や所得の多寡を理由にサービスの提供を拒否するこ
とを禁止するものである。提供を拒むことのできる正
当な理由がある場合とは、①当該事業所の現員からは
利用申込に応じきれない場合、②利用申込者の居住地
が当該事業所の通常の事業の実施地域外である場合、
その他利用申込者に対し自ら適切な指定認知症対応型
共同生活介護を提供することが困難な場合である。


(サービス提供困難時の対応)
指定認知症対応型共同生活介護事業者は、基準第
10条の正当な理由により、利用申込者に対し自ら適
切な指定認知症対応型共同生活介護を提供することが
困難であると認めた場合には、基準第11条の規定に
より、当該利用申込者に係る居宅介護支援事業者への
連絡、適当な他の指定認知症対応型共同生活介護事業
者等の紹介その他の必要な措置を速やかに講じなけれ
ばならないものである。

 

とあり、「男性は家事ができないから」という事が、この文中の「・・利用申込者に対し自ら適切な指定認知症対応型共同生活介護を提供することが困難な場合・・」に該当すると言えるのだろうか・・・

 

今までの暮らしぶりはあると思いますが、男性であれど、これからできるようになるという可能性を最初から閉ざしてしまうことがどうなのかということもありますし、そもそも専門職集団として、困っている市民に応える姿勢はどうなのか?と疑問に思ってしまいます。

 

長い間税金を収め、介護保険料だって収めている本人や家族が、いざ困った事になり、制度のお世話になろうと勇気を出してたどり着いた先で「難しいですね」「無理です」で済ませてもいいのだろうか?

 

100歩譲って、様々な事情によりお断りするに至ったとしても、「提供困難時の対応」にあるように、担当ケアマネージャへのお断りの連絡で終了ではなく、他の受け入れ可能なグループホームを探したり(実際、市内で受け入れOkなところはあります)なんらかの対応により、誠意をケアマネにもご家族にも見せていかなければならないと思うのですが・・・

そのような姿勢を見せていかなければ、いつまでたっても介護の専門性を認めてもらえないのではないでしょうか。

 

「認知症対応型共同生活介護」であるグループホームですので、「認知症に対応できる」というスキルを持っているという事に加え、少人数とはいえ「共同生活」がくっつくので、場合によっては今のホーム内の入居者の状況には難しいという事も理解できますが、せめて「断り方」の姿勢には留意しなければと思うのです。

 

ケアマネージャーさんは、各事業所の特徴等を仕入れる情報網が必要ですし、グループホーム同士も互いの繋がりや情報交換をして、それぞれの「受け皿」になれる事業所の情報を持っていることも大切なのではないでしょうか。

とりあえず、市内の事業所の集まる機会があるとのことでしたので、互いのホームの受け入れ基準等の確認をお勧めしたところです。

 

ちなみに、「サービス提供拒否」側からではなく、「どういう人が利用対象となるのか?」側からみると、


要介護者(介護予防認知症対応型共同生活介護は要支援2の者)であって
認知症の状況にある者のうち、少人数による共同生活を営むことに支障がな
い者に提供する。
なお、入居に際しては、主治医の診断書等により当該入居申込者が認知症
の状態にある者であることを確認する必要がある。
○基準第94条、予防基準第74条

 

とある。

 

この「少人数による共同生活を営むことに支障がない者」という言葉に甘んじるのも、市民のためになんとかしようとする姿勢を見せるのも、それぞれの事業所任せではありますが、目の前で困っている方々に対する姿勢を、今一度自分の事業所でも振り返っていかなければいけないと研修やこのブログにて再確認させて頂く機会となりました。

 

「専門職」として、「なんとかしようとする姿勢」を持ち続けていきたいものです。

 

Published by 井

 

 

2013年03月17日 Category:スタッフ日誌