「一件落着」
「とんちんかん」の程度が大きい利用者さんと、「しっかり気味?」の利用者さんとの間でよくトラブルがおきます。
先日の事です。
「何やってるの!」の声がする方を向くと、椅子に座っている利用者さんの膝の上に、とんちんかん度合いの高い利用者さんが座ろうとしていたのです。
当然仲裁に入り、椅子の方へ案内し、もとの場所に座って頂くのですが、それで一件落着とはなりません。
一件落着とは「懸案 の事項や課題が解決すること」であり、形だけ整えたり、引き離すだけでは「おもしろくない感情」が残っている訳で、その感情までひっくるめて解決する事が必要だと思うのです。
しっかり気味の利用者さんはその事をしばらく引きずり、機嫌が悪くなってしまいがちです。
そんな流れの後、皆さんでしたらどうしますか?
予測力を活かし先回りを心がけていても、一瞬で突発的に「事」が起きてしまいます。
現場にいて感じるのは、「事」が起こった後の「後始末」をしっかりしない場面をよく見かけます。
「よくある事」「防げない事」
として、慣れの中でスルーしないようにしたいものです。
他者との関係性を築く力も、衰えていきがちな認知症という状態にある方々。
それを分かっている事が大切ですし、分かった上でそこを「補う」という視点や行動が大切なのだと思うのです。
先ほどの質問の回答一例です・・
自分が座られそうになっていた方の膝の上に、「座るフリ」「少し座ってみる」をしてみました。
そして「いい感触ですね!」
とボケてみたのです。
その一言で負の感情は逆転し、笑いが起こり一件落着となりました。
「事」が起こり、その場を整えたようにみえても、「負の感情」が残っている場合、その収拾の方法の一つに、「笑い」「心地よさ」というたぐいの感情を上に乗っけるという手があります。
「負の感情が残ったまま放置しておかない」という事です。
注視されているとんちんかん度の高い方から、自分の方に「矛先をどう向けるか」という視点やアプローチも大切です。
「事」が起こると、その場には「負の感情」が飛び交います。
そのまま手立てを行わず、ほかっておけば、その感情が積み重なり、より関係性が崩れていきます。
「人と人を繋いでいく」のも私達の仕事です。
「能力に応じて」手立てを打つのが私達の役目なのですから。
色々工夫して、場にあった対応力を向上してみませんか?
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
本日はリーダー研修の担当講義を行う日でした。
与えられた講義の目的は果たせたのでしょうか!?
「一件落着」とはいえませんが、
自分の気持ち的には「一件終了」で次に進めそうです。笑
素敵な受講生の方々と、有意義な時間を過ごせて良かったです♪
素敵な☆グループワークの資料もたくさんできました。