「主体性」を導きだすアプローチ⑤
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- 「中途半端」を活用した仕掛け
人は「完成」「終わる」といった「区切り」や「線引き」を大切にしている事が多いと思います。
その「物事をやり終える」といった、体にしみついた当たり前の感覚を利用してみるのもいいのかも知れ
ません。
「やりかけ」「やりっぱなし」「片付いていない」といった、「中途半端」は気になるところですので、そこを活用したりします。
例えば、
・洗濯物を干す・取り込む途中の場面を作る
・タオルを少したたんで、残りはそのまま置いておく
・洗い終わった食器類とふき取りタオルを、机の上において置く
・買ってきた食材を、玄関に置きっぱなしにする
・集めたり、ちりばめたりしたゴミの横に、塵取りやほうき・ゴミ箱を置く
・切りかけの野菜と包丁を、手の届く所において置く
などなど。
認知症という状態にあっても、「気づく」力はしっかり備わっているものです。
その気づきは、「考える」事に繋がり、そして「判断」「行動」へと繋がっていきやすいものです。
その一連の流れへ繋がり、「やり終える」ために、残りの作業を自ら始められるような、「仕掛け」をす
る事もいいのかもしれません。
「そそる」とはニュアンスが異なりますが、ご自身の判断で何らかの作業の続きを行おうとされるのも、主体性の一部なのだと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
2015年10月13日 Category:スタッフ日誌