「主体性」を導きだすアプローチ⑥
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- できないフリ
利用者からみると、色々な生活行為を判断力や行動力のある職員が「やってよ」「やるべきでしょ」となるのは当然です。
そこを無理強いして「やらせて」しまうのは、自立支援でも主体性を導き出すでもなく、状況によっては虐待ぽっくなってしまう可能性があるので注意が必要です。
さて、よく起こりがちなこの構図をどのように突破するといいのでしょうか。
例えばですが、あえて「知らないフリ」「できないフリ」「とぼけてみる」といった言動を示してみてはどうでしょうか。
それを食事作りの場面で活用すると、「これどうやってやるのですか?」「こうですか?」と言いながら、わざと下手な切り方をしてみると、利用者は見かねて「貸して。こうやるのよ」と立ち居地が逆転します。
そしてそれを継続的にする事で「役に立てる自分」「やれる自分」の体感が繰り返され、その先にやるのが当たり前となり、「主体性」に繋がっていくのではと思うのです。
「利用者の世話をする職員」の構図から「職員の世話をする利用者」への転換ですね。
「できないフリ」「知らないフリ」を演じる事により、職員の立ち居地、存在感を、利用者と同等か下になるように振舞って、利用者の能力を引っ張り出してみてはいかがでしょうか。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
ちなみに本日は、私の○○回目の誕生日です。
これに関しては「知らないフリ」をする必要はありませんよ(笑)
2015年10月23日 Category:スタッフ日誌