「主体性」を考える③
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「家族へ説明・同意」
利用者さんへの支援・介護は、事業所単独で行っているものではありません。
本人・家族の意向を踏まえたケアプランも絡んでいます。
更に、事業所の今までの方向性や理念・方針との関係もあります。
今までは親切丁寧に、手取り足取り「して差し上げる介護」をしておきながら、明日から「主体性は大切だ!」「自分の事は自分で」と方向転換を図ると、本人も家族も大混乱してしまうかもしれません。
特に事業所理念やパンフレットに「安心・安全を第一」等と明記している場合、慎重さが必要になります。
主体性を引っ張り出すという事は、リスクを想定して減らす努力や仕組みをもってしても、完全無欠で安心・安全を守れるものではないという「覚悟」を事業所も家族も持つ必要があると思うのです。
そうでなければ、その先にある「障害を抱えても人として生きる姿」を引き出すのは難しいのではないでしょうか。
ですので、施設見学時や説明時に「主体性」を引き出すアプローチに絡めて、メリットやデメリット、リスクの話をしておき、契約時に念押しをするくらいの周到さが必要になるのではと思います。
「聞いていた話と違う!」等々の家族とのトラブルは、互いにとても無駄な時間・エネルギー消費となってしまいます。
家族はケアをする仲間の側にいて頂くのが一番ですね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
2015年09月13日 Category:スタッフ日誌