「人として生きる姿」を支える
先週のある日。
外出から戻ると、ひっきりなしに出たり入ったりされているNさん。
20時近くで、外は雨模様。
傘をささずに・・・
パジャマ姿で・・・
時々裸足で出られていました。
これでは申し訳ない。
「人として生きる姿」を追求する波の女にとって、大きな課題であります。
フロアのスタッフは2人。
1人は入浴介助。
もう1人は就寝介助や、トイレ誘導に、転倒リスクある方の見守り等。
外に出られる野村さんに、付いて行く支援までなかなか手が回らない時間帯。
少ない職員で多くの方々を介護・支援する私達は「優先順位」や「予測力」が大切です。
この場合の優先順位はどうなのか?
天気は良く、昼着で履物をはいて出られているのであれば、ご自身で戻って来る力を有するNさんのペースで動いてもらってもいいのだと思います。
ご家族との間でも合意できておりますし。
しかし、雨が降る暗い夜道を、傘もささず裸足で歩く事をそのまま見ている訳にもいきません。
せめて上着をはおり、履物をはき、傘を渡す支援は最低必要なのだと思います。
そこに行き着けていない視点・支援を身につけるのが私達の課題ですね。
「仕方ない」「どうしようもない」で片付けられないのが私達の仕事です。
「人が生きる姿を追求する」と謳っているのですから。
そして環境面の工夫。
傘や履物が置いてあれば、持ち出し使用する能力はまだ残っているので、つけない事情がある時用に、傘10本、履物10足を100円均一で購入し、2ヶ所の出入り口に置きまくるとか。
そもそも、ホーム内に留まれるようなアプローチを行うのが最優先ですが。
「人として生きる姿」を支えるという事は本当に大変な事です。
まだまだ工夫に努力を重ね、実践力を身につけないといけないですね。
そして「なんとかしよう」とする姿勢を持ち続けることですね。
皆で考えていきたいと思います。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治