「介護」はどう映るか
先日外部の関係者がグループホームの入居者さんの所へ来られました。
その方が利用者さんとの関わりを終えたあと、自分の支援を見ています。
「これは介護職の腕の見せどころだな・・」
といっても、いつも通りの支援を続けるだけなのですが。
歩行ができない方ですが、声かけを中心にご自分の力だけでテーブルにつかまり、立ち上がって車椅子へ移って頂きます。
自分達の仕事は「本人の有する能力」に応じる事です。
能力を使わないのも良くないですが、使いすぎも良くない事です。
そのあたりの見極めが難しいところでもあります。
手際よく椅子から車椅子への転換はこちらでやるものの、立ち上がり、片足での立位保持、着席はご本人の力で行われます。
車椅子のフットレストを下ろすことも、もちろんご本人のできることです。
その後も入歯は外し、歯磨き、うがいも片足で洗面台に寄りかかりながらご本人の力で行って頂きます。
口腔内のチェックと磨き残しの処理はこちらの仕事です。
もちろん介護技術だけでなく、そこに至るまでの会話のもってきかたも大切なアプローチですね。
そんなやり取りを見てどう思ったのか、どのように映ったのかは聞いていないので分かりません。
しかし介護職には介護職の専門的な支援の方法があるという事は伝わったのではないでしょうか・・・と勝手に思ったりします。
第三者に介護の大切さを自信をもって「見て頂く」くらいの意気込みが私達には必要ではないでしょうか。 ただ、「補う」のが介護の仕事の一部でありますので、そちらが前面に出すぎてはいけませんが。
ご本人を補いながら、一体となった「スムーズな生活動作」「やりとり」が演出できていればいいのだと思います。
もちろん、私達のアプローチが「ご本人の視点にたち、ご本人のためになっているのか?」ということが大切ですよね。
ご本人の心と体を「補う」さりげない「手助け」を心がけたいものです。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治