「介護の専門性」考④

Published by i

③の続き

 

③で出たキーワード「市民生活」とは。

これは難しく考えなくてもいいですね。

朝起きてから寝るまで。

休日や行事や各季節の行動。

私達が送っている暮らしを振り返ってみればいいと思うのです。

 

朝起きたら顔を洗い歯を磨き、鏡を見て髪を整え、服を選択し、目的を持ち社会に出て、他者と交わる。

そんな1日が基本にあるのだと思います。

 

髪が伸びたら美容院、食事は何を食べようか考え、作ったり、買ったり、食べに行ったり。

自分にとっての楽しみの物を探したり、行きたい場所へ行ったり、会いたい人に会ったり。

自分が生きていく上で、自分に必要なものを調達して生きるということです。

 

そのような「市民生活」が不本意ながら様々な障害により、自分の力で獲得できなくなったのが目の前の方々です。

そこに私達専門職がくっつく事で、失ったり諦めたりしたことを取り戻したり、新たに獲得していけるようにする事が私達の仕事なのではないでしょうか。 もちろん自分の力で「できた」「できる」と体感できるような支援をしながらです。


 介護とは、このようなことを目指しながらアプローチする視点と、鋭い洞察力を基に、いつ、どこで、どのように、力を貸すかを見極め関わる仕事であり、辞書に書いてあるような一方的に行う行為で留まるものではないと考えています。

 

と語りながら、前回のスタッフブログで「どうしたら髪を洗うことができるのか・・」

という原点で悩んでいる現状もあったりしています。

ご覧の皆様に問いかける前に、施設内で知恵を募り、総力戦で挑まねばなりませんね。

 

試行錯誤しながら⑤へ続きます・・

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

2013年10月22日 Category:スタッフ日誌