「介護の質」はどうなるのか・・(前)

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「介護離職ゼロ」目指し、特養増設・待機解消へ

 

安倍首相は、先の自民党総裁選の公約で掲げた「介護離職ゼロ」の実現に向け、特別養護老人ホーム(特養)の大幅な整備に乗り出す方針を固めた。

 全面的に介護が必要な入所待機者を、2020年代初めまでに解消することを目標に掲げ、16年度当初予算から特養の整備費用を拡充する。24日の記者会見で、社会保障制度改革の最重要施策として表明する。

 首相の記者会見を踏まえ、政府は、少子高齢化や、労働力人口の減少を食い止める策の検討に向け、経済界や労働界などでつくる「国民会議」を創設する。

 特養の入所待機者は、13年度で全国に約52万人いる。このうち、身の回りの世話が一人ではできず、自宅で待機している「要介護3」以上の約15万人をゼロにすることを目標とする。

 特養を増やす具体策として、政府は、消費増税分を原資とする「地域医療介護総合確保基金」(15年度の介護分で724億円)を財源として活用する。社会保障の財源としては将来、家庭に眠っているタンス預金を掘り起こすことが期待される「無利子非課税国債」の発行が検討される可能性がある。

読売新聞  9月24日(木) 記事より抜粋

 

 

最初見出しを読んで、離職ゼロ=職員の待遇や環境改善を図るのか?

と思い、ドキドキして内容を確認したのですが・・・

「家族が介護のために退職するのをなくす=施設に入れるよう整備を進める」

という事で少しがっかりしました。

 

今の介護業界の進む方向性は、在宅思考を進め、地域密着サービスや地域包括ケアを促進している側面があると思いますが、それと逆行しているようにも思えます。

 

 介護をするために離職する人は10万人程度みえると思います。

その方々を働き続けられるようにとういうのは大切な事です。

しかし、「親を施設に入れれば働き続けられる」という前に、手を打つ事があるのではないでしょうか?

 

会社へのアンケート調査によると、勤務先で介護の相談ができたり、介護の情報を入手する事がほとんどないというデータがあります。

介護を抱えている社員がいるかどうか把握していない企業が全体の半分近くあるとい

う現状もあります。

 

 介護の悩みや相談は、担当のケアマネや地域包括スタッフだけでなく、会社内においてできる仕組みが必要なのではないでしょうか。

ある程度社員数がある会社は、社内に「介護相談」の窓口・担当者を設置するとか、アドバイスをしてくれる専門職と提携するとか、地域包括職員と連携するとか、介護休暇や介護支援勤務体系の周知や実施を進めるとか、地域の会社と地域の施設が密着し、相互に情報交換や連携できる仕組みを推進する等、いろいろやれそうな事はありそうですが・・

 

「預かってくれる所を増やす」という視点だけでなく、介護を理解し、支えようとする会社の意識や仕組みを整える必要があると思うのです。

いかがでしょうか?

(長くなったので次回に続きます)

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

2015年09月25日 Category:スタッフ日誌