「後追い」から「先回り」へ(後編)
5月2日 (前編)の続き
人は自分の意思を行動に移します。
「あそこに行きたい」
「これをしなくちゃ」
色々な目的の中から、「優先順位の高いもの」を決定して動いていきます。
ご飯を食べている時に、トイレに行きたくなったらどうするか。
「食べること」と「用をすませること」を天秤に乗っけ、かたむいた方(優先順位の高いもの)の行動を取ることになります。
それは緊急度や重要度、興味度や状況、相手との関係等様々な要素の中で「どちらにするか」という選択肢を決定しているのだと思うのです。
ですので(前編)で書いたような、全体や個人をリード(職員本位や都合に持ってく事とは違います)する時に、選択肢を意識したアプローチを色々試みる必要があるのだと思います。
その方にとって、緊急性、重要性、興味を引くものは何なのか。
当然その方の好みや習慣、癖、思考パターン等々色々な情報が必要になります。
そしてメッセージを伝える自分との関係性も重要です。
その結果、クラブ滝子の職員がよくアプローチしているのが、
図意図的にシュレッターゴミを廊下いっぱいにちりばめて、掃除して頂く。
濡れた新聞紙を細かくちぎって、床のほこりやゴミと一緒に掃いて頂く。
こんなアプローチをよく見かけます。
もちろん「やらせる」にならないような声かけや配慮が必要ですし、最初と最期くらいは「職員も一緒にやる」ことが大切です。
その他に屋上に洗濯物を干しに行ったり、他者の送迎に絡めて車に同乗して頂いたり。
あの手この手で「鍵を掛けて行動に制限をかけないように」を目指しています。
しかし1日中掃除をしている訳にもいきません。
そんなの誰だって嫌ですしね。
という事で別のアプローチを試みてみました。
別のフロアにいる時にはよくやっていたのですが、新聞を読んで頂いたりしました。
これも渡したらすんなり読み始める訳ではないので、導入で一緒に読みながらしっかり絡んで、読み続けられるようなアプローチが必要です。
それに加え、以前に選挙活動に加わっていたとの情報がありましたので、とある議員さんの「後援会のパンフレット」を渡してみました。
すると・・
これが結構集中して真剣な眼差しで読み込まれていました。
それも結構な時間をかけて。
やはりその方々それぞれの個性・特性を知り、活用する事は大切ですね。
結局この日は新聞やパンフレットを絡めながら、座って過ごす時間が日中で2時間程かせげました。
その分、他の方への必要な支援に手を回す事がしやすくなりました。
今後、街中での街頭演説をみかけたらチラシをもらったり、選挙前に配られる候補者一覧の新聞等の素材を集め活用したいものです。
その他に他者との絡みを意図的に作ったりもしてみました。
この方、職員事務所にも良く出入りされるので、今度は事務所の中でできる事も探していきたいですね。
とまあ、その日の目標の50%くらいは達成できたのではないかと思っています。
あとはその50%をもっともっと上げていくために、他の職員と協働して色々なアプローチのバリエーションを増やしていけばいいのだと思います。
そのために、チーム全体で意識をして色々アプローチしたり、その結果を情報共有したり皆で取り組む事を大切にしていきたいですね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
普通におじいちゃんの顔♪
素敵な方です。