「納得」を大切に
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「全部食べれないから、もって帰るわ」と利用者のKさん。
「じゃあこれに入れて持って帰ってください」とトレイを渡しました。
そして昼食の寿司をつめてみえる場面です。
ご存じだと思いますが、昼食の残りを持って帰ってもらう事はできません。
ただこの方の場合、持って帰れないのがとても心苦しい利用者なので、
このような対応をしていたりします。
その場の状況や気持ちの動きとしては、なんらふつうの方です。
「記憶」に関しては短期記憶障害がけっこうおありで、1分後には
忘れてしまっていることも結構あります。
ですので、その特性を活用させていただき、上記の対応をさせて頂いています。
ありがたい?ことに頻回にトイレに行かれたりもします。
つまり、その場の気持ちを大切にくみ取りながら、
「忘れてしまう」力を活用させて頂き、トイレに行かれている間に
保存している昼食の取り置き分を回収させて頂いています。
記憶の力が保持できていれば「なくなった」となりますが、
「なくなった」こと自体を「覚えていない」「忘れる」という状態にありますので、
このような対応をしています。
その対応がいいという訳ではありませんが、
ご本人を「騙す」つもりではなく、
その場その時の気持ちを汲み取った対応を心掛けています。
ぼくらがしていることは、見た目には「騙す」も「汲み取る」も
変わらないのかもしれませんが、
中心に考えているのは、ご本人にとってなるべく不利益にならないこと、
あくまでも「ご本人のために」という事が軸にあります。
忘れる力の活用
現場ではいろいろな、疑・だましがあったりします~
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
2018年06月12日 Category:スタッフ日誌