「認知症」と「道路交通法」(前)

Published by sato

75歳以上の高齢者が運転免許を更新する際の検査で「認知症の疑いがある」と判定された場合、「医師の診断を義務づける」ことを盛り込んだ改正道路交通法が衆議院本会議で可決され、成立したとのこと。

 

免許更新時の行われる認知機能検査(講習予備検査)では、以下の項目について検査を受けます。
時間の見当識(検査時における年月日、曜日及び時間を回答する)
手がかり再生(イラストを記憶し、一定の時間をおいて回答する)
時計描画(時計の文字盤及び、指定された時刻を指す針を描く)

約30分程度で検査を行い、その場で書面にて結果が通知されます。

この検査で「認知症の疑いがある」と判定された場合、医師の診断が義務づけられました。

診断書で認知症と判断されたり、診断書を提出しなかったり場合は、免許の取り消しや停止となります。


検査で「問題なし」とされた人でも、逆走など認知症と疑われる交通違反を起こした場合は臨時の検査を受けることになるそうです。



今回の改正は、事故を減らすために必要な事です。

ご本人にとっても、社会にとっても大切なことです。

でも何か足りないような気がします。

 

まず「危ない方の運転をやめさせる」が中心になっているのではないでしょうか。

その次に、車がない暮らしの課題ばかりが新聞やニュースでクローズアップされています。

一部の専門機関や団体が、その課題にどう対応すべきかという研究を行い、報告書やリーフレットを出していますが、認知度が低い状態です。

 

免許の更新を機に、「認知症」の診断、申告の機会増える事になると思います。

免許を持っている方で高齢の方は3年に一度、認知症の疑いがあるかどうかの検査を受ける訳ですので。

「早期発見」はとても大切なことです。

 

 

しかしその先の道筋が整えられているかどうかが、本人や家族にはとても大切な事です。

どこに相談したり、協力を依頼したりすればいいのか等の「どこ」「だれ」「どのように」といった具体的な道筋が示されないままに「疑いがあります」「認知症です」と言われてしまう当事者の事が置き去りにされたままの「安全確保手法」が先行していないでしょうか?

その後「ご本人がどう生きていくか」「どのような支援体制があるのか」が並列で語られていかなければいけないのだと思うのです。

そこがあまり前面に出ないままに、診断確定が進み、該当者は「免許取り消し」者が増えていく事がないようにしていけるといいのですが・・

 

長くなりましたので、次回(2日後)に続きます。

いろいろ疑問、予想を持ちつつ警察窓口へ行って聞いてみた事を中心に情報UPさせて頂きます。

 

皆さんもどのような仕組みや、フォロー体制があっての今回の改正なのか調べたり、予想してみて下さいね。

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

 

 

「疑いあり」となり、病院へと言われてしまう本人さん。

その気のある方が、「そうですか」と素直に病院で行くのでしょうか?

その場合、配偶者かその子等のキーパーソン的な方にも同時連絡できる仕組み確立の準備をしておいた方がいいと思うのですが・・・いかがでしょう?

2015年06月15日 Category:スタッフ日誌