「認知症」と脱水
感染性胃腸炎のノロウイルス患者が6週連続で増加傾向で、流行が全国的に本格化しています。
2002年以降で最も流行した06年に次ぐ勢いだとか。
そんな中で、滝子の施設においても、手洗いや、手すりやドアノブや便座を始め、あちらこちらの手や肌がふれる場所の消毒を1,2時間ごとに行うなどの徹底をしています。
それに加え、室内の除湿への配慮。そんな感染症対策とともに「脱水」対策も夏に引き続き大切な時期です。
夏は熱中症、脱水症予防などで水分補給に気遣いやすいのですが、冬場はついつい意識が抜けがちになる事があります。
少しでも気を抜くと、高齢者は知らず知らずのうちに「かくれ脱水」になる場合があるので要注意です。
年齢を重ねると、体の中の保水力が落ちていく傾向にあります。
調子がいいように見えても、ボーダーラインの少し上にいるだけですので、水分が少し減るとすぐに脱水症状を呈してしまいます。
冬は暖房を使用する機会が増えますが、「あたたかい」だけでは乾燥状態で生活していることになってしまいます。
そんな中で水分の摂取量が少なくなると、あっという間い脱水に陥ってしまいます。
体の水分量が足りなくなるということは、汗が減り、体温調整しにくくなり、体に熱がこもりやすくなるということです。
そうなると、微熱が続き、だるくなったり、ぼーっとしたり、つじつまの合わないことを言ったりすることもあります。
また、便秘の誘因ともなります。
今一度整理してみます。
【脱水のサインのチェックポイント】
「皮膚が乾燥する」
「口の中や唇が乾く・粘る」
「やる気や食欲の低下」
「だるい」
「めまいや立ちくらみがある」
「ふらっとする」
「微熱がある」
「元気がない」
「食欲がない」
「尿量が少ない」
「気持ち悪い」
などが身体的な脱水のサインの一部だと言われています。
まぁ、脇の下が乾燥していたら、脱水傾向の始まりということもよく聞くところです。
腕の皮膚を持ち上げて放したときシワができたままになっているとか、「食欲不振」や「下痢」なども脱水につながるので注意ですよね。
そこに「認知症」を有していると、
「無気力無関心」になったり、脱水による「せん妄」が起こったりします。
脳の神経細胞の活動がさまたげられることにより起こるのですが、突然訳のわからないことを言ったり、怒りっぽくなったり、うろうろ動きまわったり、いるはずのない人や物が見えたり(幻覚)、聞こえるはずのない声や音が聞こえたり(幻聴)することもあります。
脱水が進むと血液の粘度が高くなり、血管が詰まり脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす要因にもなってしまいます。
脱水は症状を自覚しにくい認知症の方にとって大変まずい状態です。
冬場の脱水予防は、こまめな水分補給に努め、意識的に水分摂取の回数を増やすことが大切です。
そのために、活動の種類や機会を増やしその節目節目で「さぁ お茶飲んで一休みしましょう」というのが自然な流れではないでしょうか。
水分だけでなく 塩分(電解質)も失われているので、飲料水タイプやゼリーの「OS-1」を滝子通一丁目福祉施設ではまとめ買いして、必要に応じてどんどん飲んで頂くようにして脱水対策を進めています。
「脱水」の予防や早期発見はとても大切なことですので、この冬も意識して取り組んでいかねばと思う今日この頃です。
Published by 井