「誰かいませんか」

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「誰かいませんか」
「寂しい」

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昼間、利用者やスタッフが目の前にいても
こう話される方がみえます。

そして、フロアの中をさまよっている事もあります。

ご本人には、他利用者やスタッフの
姿は見えています。

みなの動きも声も聞こえています。



それでもです。


この方にとっての「誰か」は、
物理的に存在する人は含まれていないのでしょう。

もちろん私もスタッフも
ご本人の事を理解し、傾聴をしていますが、
それでもという事でしょう。

もっと、深い所で、
本人の不安、混乱、苦しみ、寂しさ、苛立ち、辛さを含む、

その人本人の存在を受け止め、
親身に対応してくれる人を、
自分の存在を受け入れてくれる人を、
探しているのでしょう。



そして、一緒に寄り添い
一緒に悩み
一緒に苦しみ
そんな中にも、そこに存在する
意味や、できる事、役割のある暮らしが

少しでも引き出せたら、
今の混沌とした空間、時間の中から
少しは抜け出せるのかもしれません。

僕らに必要なのは、
この方にとっての、
物理的な対応者ではなく
その人の存在を認められる事

その人にとって存在感のある人である事が

求められるのかもしれません。

 

しっかり向かい合って、

「誰か」に

に加えてもらえるようにしたいと思います。

 

滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治

2019年12月03日 Category:スタッフ日誌