あの手この手
先日20時過ぎに警察から連絡が入りました。
「通帳がないと何回も交番に来られて、どう対応したものかと・・家に来てもらえないだろうか?」とのこと。
少し前に以下のような内容で、管轄の警察署に連絡を入れてありました。
「小規模多機能・クラブ滝子の利用者のAさんが、いつも持ち歩いている通帳が権利擁護センター保管になったのですが、預けたのを忘れ「紛失した」「取られた」等で警察に連絡が行く可能性があります。何かあれば連絡ください」と。
このAさん、通帳がないので実際に行動に移され、交番へ行ったり、110番されたそうです。
相当不安だったのでしょう。
予測できていたにも関わらず、警察に連絡したのみで、あまり大した手を打っていなく申し訳なかったです。
という事で、21時半過ぎに自宅へ訪れました。
そこには警察官が2名来ていました。
Aさんの置かれている事情はよく分かって頂けているようで、丁寧に対応されていました。
それでも不安だったのか、自分の顔を見て「おおっ! 来てくれたかぁ」と安堵の表情を浮かべられました。
部屋の中には「通帳は預かっていますから大丈夫です」というメモや、クラブ滝子の「電話番号」のメモが貼ってありますが、それでは分かりにくかったのでしょう。
ですので、もう少し説明を加えた案内文を作成し持参しました。
それをもとに説明させて頂き、財布の中や部屋、台所、玄関等あちらこちら目につくように貼らせて頂きました。
まぁ、対処療法ではありますが、警察の方もその状況を確認され帰っていかれました。
それからしばらく話をしていると、「寂しい・・一緒にいてほしい」
と昼間のAさんからは想像しにくい言葉が出ました。
記憶が繋がらない
自分がおかしくなっていく
色々な事が訳かわらない
相当不安で辛い、1人の時間を毎日帰宅後に過ごしているのでしょう。
なんとか力になりたいものです。
翌日に権利擁護センターとやり取りをし、年金が入る通帳を新たに作成し、もともと使っていた通帳に小遣いを少しずつ入れる事で合意できたようで、準備でき次第、使いなれた通帳をご本人に戻していく事になりそうです。
うまくいかない事が多いにしても、「あの手この手」を尽くしていくのが私達の仕事です。
なんとかしていきたいものですね。
滝子通一丁目福祉施設 施設長 井 真治
その日の夕方に、グループホームの方から入院されている方の所に面会に行きました。
ふとベッドサイドに目をやると・・・
ご丁寧に両手を縛る道具が・・
この状況で「あの手この手」はなかなか通じないものです。
早く戻れるといいのですが・・