ある日の買い物

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クラブ滝子では1階2階のグループホームと合同で毎日の食材調達に近所の、(と言っても片道700メートルありますが)公設市場まで買い物に行きます。

ある日の買物支援。最近は認知症の進行、歩行能力の低下により毎日参加していたのがめっきりいかなくなってしまったAさんに声をかけてみたところ「行ってみようか。」と。
念のため「SOS電話をするかもしれない。」と他の職員へ伝えて協力体制を整え、いざ買物へ。

市場まではにこやかに以前と変わらない軽い足取りで到着。一安心。
市場の休憩所で休憩しながらゆっくり買い物しました。

その時他の利用者さんが八百屋さんで野菜を買い求めている際、ふとAさんが離れて独り歩き出しました。
以前にも他の方の買い物を待つという事が出来ず、1人家に帰ると市場から外へ出て行ったことが度々ありましたので、
内心『あっ!やばい。』と思いましたが

八百屋さんの方は店主さんがいつも協力して下さり座れるように丸椅子を用意して下さっていて、
その時も職員である僕を介さず利用者さんと丁寧に買い物メモを見ながらやり取りして頂いていたので、
「ちょっと待って。」と引き留める声掛けをぐっとこらえ、その場を離れひとり歩きだしたAさんを後ろから見守りをしました。

するとある店の前で立ち止まりじっと品物を見ています。
その視線の先にあったのはカップラーメン。
そこで「僕もよく食べますよー。」と声掛けするとにこっと笑顔。
一つ100円のカップラーメンを自分の財布から100円を出して支払い(支払うことは分かっているけどお金を財布から取り出すことは難しそうでしたので声かけしてお手伝いました)、
ビニール袋に入れてしっかり握りしめてクラブへ戻られました。

好きな物を買う自由。

本当に本当に些細な私たちにとって当たり前のことですが、常に職員同伴の状況で利用者の皆さんがどれだけその自由を生活の中で感じているか。
何度も立ち止まって考えていきたい事です。

 

クラブ滝子 町上

2013年09月18日 Category:スタッフ日誌